sts 22 「大人達と子供達」
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はないで。というか、変な噂が立つと面倒なことになるかもしれへんからそういう発言は控えてな」
部隊長としての発言なのか、それとも一個人としてからかわれたくないから言ったのか。はたまたヴィヴィオによって生じるかもしれない誤った関係をさらに悪化させない気遣いからか……何にせよ、こちらに都合が良い発言だったのは確かだ。ここは大人しくはやてに任せることにしよう。
「騒がしいからもしやと思ったが、やはり貴様達であったか」
後方から聞こえたはやてに酷似した声に俺の意識は自然と向く。
立っていたのは白いジャケットに黒のスカートと私服姿のディアーチェ。中学卒業を気に髪を伸ばすことにしたらしく、今ではセミロングほどの長さになっている。
ディアーチェは知人にはやてのそっくりさんとして認識されていたが、はやてが可愛い系ならば彼女は綺麗系に成長した。瞳や髪の色もはやてとは違うので、今では間違われる可能性は低くなっているだろう。
周囲のメンツもディアーチェの存在を認識したらしく、ある者は久しぶりの再会に喜びの声を上げ、ある者ははやてがもうひとり!? といった意味合いの声を漏らす。
「義母さんの代理ってお前だったのか」
「うむ、シュテル達に用があってな。そのついでにレーネ殿の様子も見に行ったのだ……その流れでな」
「そうか……悪いな」
「気にするな。我が自分から進んでやると言ったのだ……それにここに来れば、貴様だけでなく他の者の顔も見れると思ったのでな」
なのは達に向けるディアーチェの目は優しくもあり実に喜んでいるように見える。シュテル達とは度々顔を合わせる機会があるが、今六課に居るメンツとは今回のようなケースでもない限り難しいだろう。
久しぶりにディアーチェの顔が見れて嬉しい。
そのような感情を抱く人間も多かったため、場に穏やかな空気が流れ始める。が、それもある人物が声を発したことで一気に砕け散る。
「ねぇパパ、この人だれ?」
「ん? あぁこの人はだな……」
ヴィヴィオだけでなくフォワード達にも説明しようとしたところ、不意に肩に手を置かれた。首だけで振り返ってみると、俯いた状態のディアーチェが静かに立っている。嵐の前の静けさのようなものを感じずにはいられない。
「ショウ……今のは我の聞き間違いか? この娘が貴様のことをパパだと言ったような気がするのだが」
「いいかディアーチェ、落ち着いて聞け。断じて俺はこの子のパパではない」
「違うもん、パパはパパ。ヴィヴィオのパパだもん!」
これ以上否定すれば泣きかねない雰囲気で必死に言うヴィヴィオ。普段の状態のディアーチェならば誤解せずに理解してくれるだろうが、今感じる雰囲気からしてスイッチ的なものが入っていそうな
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