sts 22 「大人達と子供達」
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る真っ直ぐな部分は失ってほしくないものだ。
「リインちゃんもそうだったわね」
「えー、リインは割りと最初から大人でした」
「嘘を吐け」
「体はともかく中身は赤ん坊だったじゃねぇか」
リインは騎士達の言葉に自分ひとりでは反論できないと判断したらしく、味方になってくれるであろうはやてに声を掛ける。が、はやてもリインの成長過程を知っているだけに素直に味方はできないようで、「どうやったかな」とぼかした返事をするだけだった。
「うー……ショウさん、ショウさんなら分かってくれますよね! リインは大人でしたよね?」
「何で俺に振る?」
「何でってショウさんはリインの家族も同然じゃないですか。昔からリインを含めてはやてちゃん達と仲良しですし、何たってわたしの生みの親のひとりなんですから。言ってしまえば、わたしのパパとも呼べる存在なんですよ!」
確かにリインの開発に携わりはした……が、何でパパという表現まで使う必要があるのだろうか。もしかしてヴィヴィオに対して思う部分が……。
いや、リインは甘えん坊なところはありはするが稼動を始めて間もないわけじゃない。最初は赤ん坊のようなところもあったが、今ではひとりでも仕事ができるくらいに知能は発達している。子供相手に嫉妬のような感情を抱く可能性は低いはずだ。
「はやてちゃんが助けてくれないなら頼るのは当然です!」
「ならはっきり言うが……俺はヴィータ達側だぞ。今のリインはまだしも昔のリインを対象にされると否定できないし」
「そんなぁ……リインに味方はいないんですか。ぐす……」
「まあまあリイン、そう落ち込まんと。誰だってそういう時代を経て大人になっていくんや。私に子供が出来る頃には誰もリインを子供扱いせんやろうし、ちゃんと子育て手伝ってな」
家の主だけあって、こういうときのフォローの仕方は心得ているようだ。
こういう落ち着いた言動を見ているとこいつも大人になったんだなって思うな。いつまでも人のことをからかって面白がる奴じゃないってことか。
一般的に嬉しいことではあるが、考え方によっては心配にもなる。ただでさえはやては部隊長という立場であるため、俺達よりも苦労がある身。また彼女はひとりで抱え込んでしまうタイプでもある。
子供の頃ほど一緒に居る時間が長いわけでもないし、組織の中に身を置いて10年も経っているだけに昔よりも心を隠すのが上手くなっている。精神的に成長して言動が大人になっているだけならいいが、そうでない場合……。
「分かりました。ショウさんとの子供が生まれた際は頑張ってはやてちゃんのことをサポートするです!」
「えっとリイン、やる気を出してくれるんはありがたいんやけど……今のところ私がショウくんの子供を生む予定
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