sts 22 「大人達と子供達」
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アーチェは地球に残って勉学に励み、今はアリサ達と同じ大学に通っている。
彼女の住んでいる場所は今も変わらず地球にある俺の家。つまり、その恩を返すということもあって義母さんの面倒を見てくれているというわけだ。
「ディアーチェに結構申し訳ないと思ってるんだからな」
『それは私も同じ意見を持っているし、何度か私の面倒を見る必要はないよと言ったさ。けれど彼女は頑なに聞こうとしないからね』
俺も何度か言ったことがあるが、返ってきた答えは義母さんと同じもの。ディアーチェの性格的にタダで住まわせてもらうことには抵抗があると分かっている。故に彼女がそれで良いのなら、と俺や義母さんも考えてしまうのだろう。
『まあそれに……彼女は嫁として申し分ない能力も持っているし、君と結婚してしまえば世間的に疑問も抱かれはしなくなるだろう。リンディには孫は良いと惚気られることがあるし、私ももうイイ歳だからね。早く孫の顔が見てみたいものだよ』
「地球で考えれば俺はまだ成人もしていないし、大学に通ってるか社会人になって間もない年齢なんだけど?」
『恋愛に年齢は関係ないものだよ。故に君の年齢で子供が居てもおかしくはない』
否定はできないが、研究ばかりして灰色の青春しか送ってこなかったであろう義母さんに言われても説得力がない。
義母さんが誰かと結婚をして家庭を築くのは別に構わない。ダメな部分が多い人だけど幸せにはなってもらいたいし。……20年近く歳の離れた弟か妹が出来るのは違和感があったりするけど。けどそういう未来はないだろうな。完全に孫の顔を見る……息子の幸せが自分の幸せになってしまってるみたいだし。
「はぁ……これから食事だし、みんなが待ってるかもしれないから今はこのへんにしてくれないか?」
『ふむ……まあ君にも君なりの付き合いがあるだろうし、みんなと言っているが特定の人物との食事かもしれないからね。その人物が将来的に身近な人間になる可能性を考えると、ここは素直に君の提案を聞き入れた方が賢明かな』
最初の一言以外が蛇足でしかない。とはいえ、ここで迂闊にツッコめば会話を切るタイミングを逃してしまう。それを考えるとここはスルーする他にないだろう。
「悪いけどそうしてくれ」
『分かった。けれど最後にひとつだけ……この前言っていたパーツを私の代理が持って行っているから受け取ってほしい』
そう言って義母さんからの連絡は終わる。
用件はないが家族が話すのに理由は要らない、と言いたげな感じで話していたと思うのだが、ちゃんと用件があるではないか。
まあ今日とは言っていなかったし、急ぎのものでもないのだろうが。……すでにこっちに向かってるとも取れるような発言をしていたような。
「……今は気に
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