第3章 黄昏のノクターン 2022/12
27話 再起の証
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グをトリガーとして出現する《隠しクエスト》ではなく、やや見付けづらい場所に居るものの、特殊な条件は必要としない。ここにロモロの情報を載せた方が補完する意味では有効だろうし、造船クエストは攻略の足掛かりにもなる。ここで伝えておいて損はないだろう。
「アルゴ、ここにクエストNPCが居る」
「ン? ………いや、ここはベータの時には………まさカ………じゃあ、リンちゃん達はもう確認済みなのかイ?」
「察しが良いな。だが、このクエストは正攻法で行けば結構な長丁場になる。それに一回だけの情報だと信憑性が薄いだろう?」
「フム………だったら、クライアントでデータを取るのも一つの手、カナ?」
どうしてこの情報屋には顧客からの信頼が寄せられるのか、いよいよ度し難くなってきたが、俺が気に掛けてもアルゴの評判に匙程も影響は出まい。それでも、結果論ではあるが、三層では彼女と結託したことでクーネ達を救って、PKの存在も暴いたのだ。こうして手を貸すのも吝かではない。
「ありがとナ、リンちゃん。これで値段に少し色を付けられル。やっぱり持つべきものは信用できる同業者だナー! ニャハハハー!」
脅迫から一転、情報を得られたアルゴは、しかし素直に礼と受け取って良いのか分からない文言を残しつつ、あらかた胃を満足させて高らかに笑いながら去ってゆく。付き合う相手を間違ったかと、一抹の不安を覚えてしまうのはどういう訳だろうか。
………と、内心で後悔とも懸念ともつかない感情に苛まれていると、クエストログを更新する涼やかなサウンドエフェクトが鳴り響く。
「燐ちゃん、お船が出来たって!」
「あ、ホントだ! リーダー、早く行こうよ!」
「分かったわ。でも、ちょっと待っててね」
辛抱堪らず騒ぎ出すヒヨリとクーネに制止を呼びかけ、クーネは食堂の奥へと歩み出す。
「すみません、残った料理を持ち帰りたいんで詰めて貰えますか?」
「はいよ!」
………家庭的な申し出によって料理は全てリーダーのストレージへ。
ロモロ邸を目指したのは、クエストログ更新から三十分後の事であった。
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