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リアルアカウント 〜another story〜
account 2 ゲームの始まり
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少なからず心配されてしまったから。

 だから、嫌悪さえ覚えていたケータイを、徐に取り出し 殆ど使ってない、機能さえさせていなかった《リアアカ》を立ち上げた。

「あっ 圭クン、珍しいねー。ケータイ触ってるなんて、初めてみたよ」

 隣に座って 下校前に明日の準備をしていた女の子が話しかけてきた。
 それが、始まりだった。

「へぇ、ひょっとして、リアアカ するのか?」
「あー、さては ずっとしてて、黙ってたのか? なんだよ、連れないな〜」

 比較的、友達に近い。授業のやり取り程度を話をしていた同級生達が 話けてきたのだ。

 クラスの人数を考えたら 微々たる数、僅か3人程度だったけど、今は(・・)、これで良いと思った。


――変わらなければいけない、から。


「あ……、う、うん。ちょっと、ね。始めたばかりだから、まだ 綺麗に0が並んでるけど……」
「あはは。最初はそんなものだよ」
「そりゃそうだ。そっから、広がっていくんだぜ? それがSNSってもんだよ。色んな趣味を共有出来たり、たのしーよ」
「あはは……、うん。苦手、苦手、って言ってたら ずっと苦手……、のまま、だから。 少しは、頑張らないと……だから」

 愛想笑いだとは思う。だけど、少しでも笑顔を見せる事が出来たら、家族ででも そうだった。少しでもつながっていければ良い。

 家族に、妹に心配をかけたくない、と言う義務感が彼を動かした。昨日、倒れてしまった事で、更に心配をかけてしまったから……。と言う理由が一番大きいだろう。

「なら、フォロアーになるよ? がっこで、初めて見た記念にっ!!」
「あはは……、ナニソレ?」

 嬉しい申し出、だった。少ないけど そこからどんどん広げていけば良いと想っていたから。 だが、そんな時だ。

 ケータイが震えた。マナーモードにしていたから。

「っと……、そうだった」

 圭はゆっくりと立ち上がる。

「ごめん。今日は 色々と頼まれてるんだった。また――明日じゃ、ダメかな?」
「う、ううん? 大丈夫、大丈夫。じゃあ、また明日ね? その間に、ちゃーんとマイページ、しっかりと記入しておいて? 見やすくなるからさ??」
「あー、う、うん。善処するよ……」

 そう言い終えると、通学カバンを肩に下げ、教室から出て行った。


「んっんーー?? な〜〜んか、妖しくない? ユリ?」
「ふぇっ? な、何が??」

 残った教室では、いつの間にか 圭に話しかけていた女の子。いきなり フォロアーになろうとしていた、彼女を囲んでいた。

「そーそー、幾らリアアカ初心者でも、ちょ〜〜っと 優しすぎるよーな、気がするんだよね〜」
「そうだね……、確かに。だって、それ以前にもず
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