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竜から妖精へ………
第8話 ゼクト vs ミラジェーン
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簡単に防がれた事に衝撃を受けたのだろう。だから、ナツの様に これを最後の攻撃として、今 持てる全ての魔力をこの一撃にこめたのだ。


 あの黒紫の雷撃を…認めたくないがあっさりと防いだというのなら。悪戯に攻撃しても、長引かせても、魔力を消耗して、最終的には負けてしまうと思ったからだ。


 それは、なぜか確信出来たのだ。相手の魔力の底はまるで見えないから。

「(くぅっ………、ち、力が抜けそう……)」

 ミラは、大量の魔力を放ちながら、同時に脱力感に襲われた。そう、魔道士の魔力は、そのまま生命力にも直結するから。だから、ミラは身体全身に疲労感が襲いかかっていたのだ。



 そして………。



「く……あっ……、サタン・ソウルが……。」



 魔力が完全に消耗しきってしまったのだろう。その姿が、先程の戻ってしまっていた。

 だが、今のは全魔力を使った連撃であり、全力の魔法だ。だから 黒煙はまだまだ晴れなかった。





「おいおい……ミラジェーンやりすぎなんじゃないか?」
「お…おねーちゃん………」
「アイツ…大丈夫か?」





 周りの反応も、お祭り騒ぎのようだが、内容は変わってきている。
 殆ど全員が、『ミラ! やりすぎだろっ!!』と思ってるいる、そんな雰囲気だ。

 だけど、ミラの最初の一撃を簡単に防いだゼクトの姿も見ているから、そこまでは慌てたり、騒いだりはしていなかった。


 
「ふっ……ふう……」

 全魔力を消費した脱力感は…半端じゃない。これが仕事の最中だったら。下手したら命に関わりかねない程だからだ。だから、ミラは暫く膝をついていた。


 そんな時。



「今の一撃…、いや違う連撃だね。凄い威力だったし、ほんとに申し分ない、って思ったけど……」


 声が、聞こえて来た。また、自分の背後からだ。倒れるまで、膝をつくまでは 油断してなかった。目を離してもなかった。なのに、声が聞こえてくるのは後ろからなのだ。


「そ…んな………」

 ミラは、認めたくは無い。認めたくなかった。自分の出来るる全て、ほんとのほんとに、全てを出し切ったのに、命中させたのに、いつの間にか背後を取っている事に。その上、全く気配を感じなかったのだ。

「うん。本当に危なかった。魔法の形態を、変えてなかったら、危なかった」

 そう言うと、ゼクトはミラの頭に手を、チョップする様に当てた。

 コツン、と軽い衝撃があって、それを感じた瞬間、ミラは目を瞑っていた。

「っ………。」

 そして、ミラは一瞬震えていた。

 そして、その後。

「そこまで。勝者ゼクト」

 ギルダーツが、終了の合図をした。
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