第8話 ゼクト vs ミラジェーン
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の魔道士なら当然だ。
流石に直ぐに割り切れたりしない。
でも……ギルダーツが言っていた言葉の中で、一番心に残ったのが『女の子が傷つく』だった。
それを聞いたら、もう出来ない。戦わない事よりも、傷つくのなら。
「……うん。もう侮ったり見縊ったりしないよ」
ゼクトは、そう言って 再び構えた。
遊びでも……手合わせでも、もう敬意を持ってやる。本当にそう決めた瞬間だった。
「私の今の一撃……効かなかった…?」
ミラは、ゼクトを見て本当に驚いた。目を見開いて驚いた。
自分の手には、あの感触が残っている。攻撃をした感触、まだ確かに残っている。
それは、黒紫の雷撃。悪魔の雷撃だ。
それが 全く効かない、効いた様子がないのだ。確かに、まだまだ自分自身が未熟だって事はわかる。
だけど今戦っているのは、見た感じは同年代の男の子が相手だ。
なのに、それなのに、簡単に防がれた事に驚きを隠す事が出来ないのだ。
「いいや……痛かったよ」
ゼクトは、否定する様にそう言った。だけど、それは何の慰めにもならない。
「……っ! そんな顔で、簡単に言われても説得力がないわよ!」
だからこそ、激怒したミラは、すぐさま魔力を手に集中させた。その慰めは、彼女のプライドに触ったようだ。
「これならどうだっ!!」
両手に魔力を集中させ、生み出したのは闇の系譜の魔法。相手の体力を奪い、且つ黒き衝撃を生み出す暗黒の波動を集中させた。
「ダークネス・ストリームっ!!」
集中させた暗黒の波動は、ミラの両手から打ち出され、曲線を描き、縦横無尽に動き回った。
まるで、意志があるかの様にうねり、動き回る波動を避けきるのは、初見では絶対に無理だ。ここまで近づいていれば、尚更だ。
「くらええっ!」
ミラは、魔力の限り、己の魔力が尽きるまで、撃ちはなった。
「《エレメント・ドライブ》」
ゼクトは、ナツの時同様、手を合掌させる。
その間、ミラの放った波動は四方八方、ゼクトを取り囲んでいた!
「どう!? もう逃げ場は無いぞっ!!」
完全に逃げ場を、逃げ道を防いだミラは 更に魔力を込めた。
「防げるものなら…! 防いでみろーーーっ!!」
ミラの怒号と共に、一斉にゼクトに襲いかかる暗黒の波動。それは、止める事の無い暗黒の連撃。そして、魔力同士のぶつかり合いで発生した黒煙があたりを包み込んだ
「うぐぅぅぅぅぅぅ!!!」
ミラ自身の全魔力を込めたのだ。だからこそ、ミラももう余裕は無い様だった。
どうやら、ミラもナツの時の様に、自分自身の攻撃を防がれた事で、
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