暁 〜小説投稿サイト〜
竜から妖精へ………
第8話 ゼクト vs ミラジェーン
[2/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
そうに手を震わせていた。

「くっ……私は次か………」

 そう言いながら、随分と怖い顔で。





 説明をする為には、ちょっと時を遡る必要がある。

 ミラとエルザの言い合いは、平行線を辿っており、ずっと続いていた。その間、ゼクトはただただ、混乱をしているだけで、収拾をつけれる訳がない。

 そんな時、ギルダーツが来てくれた? のだ。

『おいおい…… いい女が取っ組み合いなんてするもんじゃねえぞ?』

 そう言いながら、ミラ達の傍へとやってきた。


『私が先だ!』
『何を言ってるのだ! お前はさっき断られただろう! だから私だ!』


 エルザとミラは、ギルダーツに全く気づいていない。この不毛な争いは続いていた。

『ったく…こいつら聞いちゃいねえな……』

 随分と近くに来ていると言うのに、全く気づいていない2人を見て、ギルダーツは頭を掻きながら。更に一歩踏み込み、2人の間に入った。

『おおい、2人とも、訊けって』

『何だ!』
『邪魔するなっ!』

 どうやら、漸くギルダーツに気がついた様だ。それに対してもギルダーツは苦笑いをしながら 言った。

『ったくよ、お前らものの見事にオレを無視してくれやがって……。あのな? お前ら。良い女ってヤツは、取っ組み合いなんざしねえし……それにな?』

 今度はギルダーツは、首をくるりと捻り、ゼクトの方を向けて、片眼を閉じた。所謂、ウインクと言うヤツだ。

『??』

 当然、それが何の意味なのか判らないゼクトが、不思議がってると、全ては始まった。

『良い男ってのはよ、頼み込んだ良い女を何度も断ったりしねえよ。ミラん時は、あまりにいきなりだったから、慌てたんだろうさ。だから、もういっちょ頼んでみ? ぜ〜ったい断ったりしないと思うぜ? それに、順番なんざジャンケンで決めりゃ良いだろ?』

 そう言い、終えるとギルダーツは、2人の頭を撫でていた。

 勿論、ゼクトにも、その話の内容は聞こえている。暫く言っている意味が判ってない様子だったが、直ぐに気づく事が出来た。

『え…? えええっ!??』


 どうやら、下手をしたら ミラだけではなく、エルザとも、2人ともと戦う事になる様だ。断ったのにも関わらず、ギルダーツが断らない、と決めつけたから、また頼まれる事になるだろう。確かに、ゼクトは、何度も頼まれる事には正直弱い部分が勿論ある。それが、フェアリーテイルの皆であれば,尚更だ。

 そして、慌てている間にも、エルザとミラは、互いに良い笑顔になり、ジャンケンを始めた。

 何度かアイコが続いている様で、ジャンケンでも白熱とした戦いが続いている。

『っつーわけだ! がんばれよ? ゼクト!』

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ