第1章:平穏にさよなら
第24話「それから」
[8/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
の中に行きたい...。
そういう訳なので、湯張りが済み次第すぐにお風呂に入って歯磨きをしてから僕は眠った。
...あ、ちゃっかり明日の学校の用意は済ませておいたよ?
=かやのひめside=
「...優輝も相当疲れてたのね...。」
さっさと自室に行く優輝を見て、私はそう言った。
「私は吸血鬼だからまだ大丈夫...と言うか夜になるからむしろ回復してるけど。」
私もそこまで疲れてないのよね...。
「さ、私達もお風呂に入ろ?」
「そうね。お風呂なんて久しぶりよ。アースラでは体を洗うだけだったし。」
人間から隠れて暮らすようになってからは、偶然見つけた温泉に入る以外、清めの術か水浴びで我慢してたのよね。かれこれ二十年ぶりかしら?
「ふぅ....温まるわね。」
「そうだね〜。」
緋雪にお風呂にある物の使い方を教えてもらいながらだったけど、体を洗い終わり、二人で湯船に浸かる。
「.....ねぇ、かやのひめさん。」
「...なにかしら?」
おもむろに緋雪は私に何かを言おうとする。
「かやのひめさんって、やっぱり、お兄ちゃんの事が好き?」
「え.....な、何言ってるのかしら!?そ、そんな事...!」
唐突なその質問に、思わず言葉が詰まってしまう私。
「ない...とは言い切れないでしょ?」
「っ...うぅ....。」
言い切れない...。確かに優輝の事は好きよ!悪い!?
「....別にいいよ。お兄ちゃんの事が好きになってても。」
「だ、だから、そういうのじゃ...。」
素直になれず、また否定しようと口が動く。
「だけど...あっさり見捨てるとかそういうのだけはやめて。」
「....緋雪?」
今までのからかうような言い方をやめ、少し俯きながらそう言った緋雪に、私は訝しむ。
「...今の私達には親がいない。だから、全部自分達でなんとかしないといけない。...最近は士郎さんが一応保護者代わりになってくれるけど...。...そんな中、新しい家族としてかやのひめさんは現れた。家族がいなくなった私達にとっても、寂しさを和らげる事になるの...。」
「.......。」
二人も、私と同じようなものだったのね...。
「両親が死んだだなんて、私は思いたくない。だけど、新しくかやのひめさんが...お姉ちゃんのような人が、家族になった。」
「緋雪....。」
「...また、家族を失うような事にはなって欲しくないから...。」
家族を失う。...私にはよくわからない事だけど、それ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ