暁 〜小説投稿サイト〜
機動戦士ガンダム0091宇宙の念
宇宙編
邂逅編
第17話 狭間

[8]前話 前書き [1]後書き [2]次話
「失礼します…」
パイロットルームから出てきた彼女は、前よりも暗い目をしている。
「もう…いいのか?」
「ええ、大丈夫です。心配をお掛けし申し訳ありません、隊長。」
「いや…」
恐らくまだ不安定な状態だろう。
いまは…彼女を戦わせるわけにはいかない。
「あー…よく寝た。ん?」
ボサボサ頭の眠そうな男。
「お前、フーバーか?」
この声、つり目のボサボサ頭。
年の割に若い風貌、彼は
「っ??お久しぶりです、グレイブ教官!」
「ははっ、デカくなったな!お前も!」
暗い空気を吹き飛ばした彼は、フーバー達のアクシズの頃の教官、グレイブ少佐。
「少佐には、フィンドラを率いて我が艦隊に参加してもらうことになった。」
「次の作戦では恐らく一緒にお前達と闘うはずだ。見せて貰おうか。」
「望むところです、俺らだって成長しましたから!」
「アイラもこの艦に乗っていると聞いたが…」
「あいつなら、今はパイロットルームにいるはずです。」
「そうか、俺はこれでフィンドラに戻る。またな」
「はい、お気をつけて!」

デッキから飛び立つドーベンウルフを、フーバーはブリッジから静かに見ていた。
「おいジゼル、聞えてるか?」
「は…ー…聞え…ーーす」
途切れて聞えた通信。ミノフスキー粒子によるものだ。
「チッ、ここからじゃ粒子濃度が濃すぎるか。…しかし、あいつらがいるとはな。やり辛いぜ…」

ラーディッシュ艦内ー

「フラン、どうですか?」
「なんとか大丈夫ね、でも少し出撃はまだ無理だわ。」
MSデッキにはボロボロのデルタガンダムがそのまま置かれていた。
なんでも、補充パーツが来ない限り、修理は出来ないらしい。
「ナナ、大丈夫か?」
「はい、私は。」
「あまり無理はするなよ。」
「はい。あの…」
「ん?」
「今から…一緒に…食べません?」
体を丸め、顔を赤くして食堂を指差した。
「ああ、俺も行こうと思ってたしな。いいよ、行こう。」
ルシオンの背中で彼女は嬉しそうに笑った。

[8]前話 前書き [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ