復活
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ラウルに笑顔で会いに行けるように・・・そして、自分を支えてくれた仲間たちのために・・・
(今回だけでいいです。ラウルの母さん・・・俺に滅神魔法を使わせてください)
祈るように目を閉じる。誰も答えるはずなどないのに、レオンは今は亡きそのエクシードにお願いする。
『何も悩む必要なんてありません。あなたはあなたの信じた道を進みなさい』
「!?」
不意に誰かの声が聞こえた気がした。辺りを見回してもそれが誰の声なのかわからない。
『あなたはラウルの大切な友達です。だから、負けないで』
今の言葉でこの声が誰のものなのかレオンはようやくわかった。彼はその声の主が見ていることを信じて静かにうなずく。
そしてレオンは自らの魔力を高めていく。
(目付きが変わった?)
グラシアンは自分を見るレオンの目が今までとは違うように感じた。それと同時に彼の顎を伝い1滴の汗が地面にポトリッと落ちる。
「プレッシャーが・・・」
戦いによって出た汗ではない。彼の発するプレッシャーが跳ね上がったようにグラシアンは感じていた。自分と肩を並べる滅竜魔導士であるローグとスティング。その2人と共闘し戦い破れたシリル。その彼よりも遥かに高い魔力をレオンが発し始めたのである。
「何これ・・・」
「レオンの魔力が・・・上がった?」
その異変にはシリルとソフィアも気付いた。彼らだけではない。ドムス・フラウでこの映像を見ている観客たちも、さらには戦闘中の他の魔導士たちも彼の高い魔力に気づいていた。
「もしかしてこれが・・・氷の神なのか?」
彼の周りに魔力のオーラが現れる。これから魔法を使うにあたって集中力を高めているのだ。
『すごい魔力です!!ここまでその力が伝わってくるようです!!』
『エルザやカグラ、ミネルバの3人とも遜色ない・・・いや、それをも越えるほどに感じるね』
『ものすごい集中力カボ』
高まっていくレオンの魔力。ただグラシアンもそれに黙って見ているようなほど腰抜けではなかった。
「どんだけ魔力を高めようとお前は恐るるに足りん。貴様は滅神魔法が使えないのだから」
グラシアンも彼と同じように集中力していく。彼はその力をより多く引き出すために、第三世代の滅竜魔導士しかできないあの領域に達する。
『出ました!!剣咬の虎が誇る三大竜の1人グラシアン!!ここに来てドラゴンフォースを解放したぁ!!』
顔に鱗が浮き出て、体内に留まることができなかった魔力が彼を覆う。目の前の敵を倒し、大切な友の笑顔を取り戻すためにグラシアンは竜の力を発動させたのだ。
「そっちも本気なんだな、グラシア
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