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ウイングマン バルーンプラス編
5 休息
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れすぎて現実感がない。
しかし、同世代ともなれば話は別だ。戸惑いと共に、とても恥ずかしさがにじみ出てきた。
そして、手遅れではあったが反射的にお湯の中に体を沈めて手で胸と股間を隠した。

美紅の悲鳴はアオイのそれとは違った。
恥ずかしさの前に混乱をしていたのだ。
その混乱を引き起こしたのは今日の戦いの疲労と、桃子の兄のイチモツを見てしまったという衝撃だった。
美紅には男兄弟がいない。それに元来の控えめな性格から、男性に対しては気後れするところが少なからずあった。
今でこそ健太と近しい関係にはなっているが、他の男性に対してはまだ距離を持って接している部分も少なくなかった。当然、男性の性器に対しても免疫は持っていなかった。
美紅は顔を真っ赤にして口元まで湯船につけて身を隠した。

桃子は、兄に裸を見られること自体はさほど気にしてはいなかった。
ただ2人の手前もあり、それなりに恥ずかしがってみせた。
「もう! お兄ちゃんったらエッチなんだから!」
そう言うとガバッと風呂桶から飛び出した
「私、着替えをとってくるから2人はゆっくりしてて」



2.
アオイ、美紅、桃子の3人は、桃子の部屋にいた。
アオイと美紅は桃子が自分の部屋から持ってきてくれた服に着替えて、桃子の部屋に静かに上がった。桃子の兄と顔を合わせるのは避けたかった。
桃子の服はアオイには少し小さかった。
借りたTシャツからはおへそが出てしまっている。下はジャージだったが、こちらも七分丈のように足元が見えていた。
美紅はちょうどいい大きさだった。身長は美紅の方が高いが胸は美紅の方が小さいのでその分余裕があった。

窓の外はもう暗くなっていた。
そのせいというわけでもなかったが、女の子3人が集っているのにお世辞にもかしましい雰囲気とは言えなかった。それどころか、暗いと言った方がいいかもしれない。

沈黙――

風呂に入って疲れはとれたものの、やはり、精神的に受けたダメージは強烈だった。
見知らぬ人ばかりとは言え、多くの人に裸を見られながら敵と戦った。
戦いに勝ったはいいが、戦いの後もギャラリーの目に晒され続けた。
美紅の機転と、アオイがポドリアルスペースを作ったおかげで、その状況からなんとか抜け出すことができたが、ポドリアルスペースが消滅する恐怖を感じながらの帰途。
さらには桃子の家でも、桃子の兄にイチモツを見せられ、裸を見られてしまった。
これだけエッチなハプニングがてんこ盛りで襲ってきたのだ。
とても話す気分になれなくても、それは仕方のないことだった。
沈黙の間に、3人の頭には今日の恥ずかしかった記憶が渦巻いていた。
そして、3人は思った。こんな戦いは2度としたくないと。

しかし、この戦いをやめるわけにはいかなかった。

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