俺は愛せる? 幻想郷...
甘い香りは理解力を活性化させる
第二十六話 お泊まり会ってこんな感じ? 女泣かしの乱
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ああ、これは可哀想だな… っというかピンチだな。
俺は方向音痴、魔理沙は相当な怖がり、そんな二人だけで場所もわからない暗い森のなか。
「光を見つけよう…」
怖がっている女の子を目の前にしてもなお気の利いた言葉など発せられない俺の放った言葉はこれだった。
約五分後。
「私達… 迷子なのかな… ねぇ… ねぇってば…」
いきなり魔理沙が言い出した。それも、いつもの強気な口調はなかった。語尾の『ぜ』など微塵もない、口調がハッキリと変わっている。相当参っているようだ。
「ごめん… そうみたい」
ぐうの音も出ない。その通り過ぎて…
今はひたすら歩くしかない、どうか、耐えてくれ魔理沙…
「こはくぅ… こわいよぉ…… やだよぉ…」
今の、ホントに魔理沙か……?
謂わば、幼い少女が一人ぼっちにされてるかのような力無い声、口調…
可愛すぎるだろこいつ…!!
そう思ったとき、既に俺は行動に出していた。光の速さとも呼べる速度で、だ。
何を隠そう、魔理沙の手を握り締めていたのだ。
俺の冷たく硬い手とは違い、柔らかくふわふわして、暖かかった。
ああ、女の子だもんな…
「もう、怖くないぞ。帰ったらなんて言わない、ずっと側にいてやる… "来てもいい"じゃない、俺が側にいてやる。だから、もう怖くないぞ。」
あまり言いたくはなかった臭いセリフを吐いて、握り締めた手を引き、離れていた身体を寄せてやった。
魔理沙の震えている動きが俺に伝わった。同時に、いつも魔理沙からする、強くなく弱くもない、良い香りが俺に攻撃を仕掛けてきた。
小さく、ぐすんと鼻を啜る音が聞こえる。魔理沙は泣いているのだろうか…?
それから、何も言えず、とにかく魔理沙を怖がらせまいとくっ付いて出口を探して歩き回っていた。
どれくらい経っただろう、微妙に光が見えてきたのだ。
嬉しさと安堵で全身の力が軽く抜けてしまいそうになったが、魔理沙の手から順に力を振り絞った。
どんどん増えて行く光を見て、
「魔理沙! 出口が近いぞ!」
ふえ? と今にも泣き出しそうな…… いや、泣きが続いていたそのままの声を魔理沙は上げた。
それ以降何も考えず手を握り締め、光に向かって走った。
直ぐそこ、出口だ。
あともう少し、というところで、魔理沙の手を握っていた方の腕に圧がかかった… 引っ張られている。
たが、それと同時に…
「あのね… 琥珀」
「うぉぉぉぉ!!出口だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
魔理沙は俺に何かを伝えようと腕を引っ張り、そして声をあげたが… 同時に出口に着き、俺は叫んだ。
これは最悪の事態である… やばい、と思い、焦りながらも、
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