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俺が愛した幻想郷
俺は愛せる? 幻想郷...
甘い香りは理解力を活性化させる
第二十六話 お泊まり会ってこんな感じ? 女泣かしの乱
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「魔理沙よ」

「な、なんだぜ?」

「くっつくのは構わないんだが、歩きづらいな」

「さ、寒いんだ、いいだろ別に」

怖いからなくせに。という言葉は心の中に閉まっておくとしよう。

特になんの変化もなく、ひたすら地図を見て歩く俺と魔理沙。魔理沙の怯えっぷりには関心を抱いてしまうほどだ。
もうこれじゃ、真冬の肝試しだ。寒いったらありゃしない。
まぁ、その点、魔理沙というホッカイロが右腕に貼り付いているから右側だけは暖かい。

この宝探しが始まってからどれくらい経っただろうか… 腹時計で考えるなら軽く一時間は経っているのだが… めんどくさいやら、気分の悪い時の腹時計は当てにならない為、正直わからない。

「魔理沙〜?」

右腕に貼り付いているのは確かなのだが、返事がない。

「もう帰らないか…?」

「…やだ」

「だって怖いじゃんかよ〜」

正確には魔理沙が怖がってる。だけれど。

「んじゃ、俺は帰るぞ?」

「だめっ!」

より一層、貼り付く力を強めて声をあげる魔理沙。対し、こいつはマジだな… と諦める俺。

でも、なんで帰ろうと誘ったときに嫌だと言ったのだろう…

あ〜もういいや。こんな白々しいのは止めよう。
だろう…とかわからないフリは無しとする。つまり、何が言いたいかと言えば、

「いいよ魔理沙、帰ってからも、俺の隣に居ても」

はぁ〜 と心の中でため息を吐きながらも俺の頭の回転力を信じて考えついたことを言った。
臭くもなく、分かりづらくもない言葉だとは思うのだが… どうだろう。

「だからさ、帰ろう?」

どんだけ帰りたいんだよ俺は… 帰りたいっちゃ帰りたいけど、もうちょっと言葉を選べばよかったか。

自分の発言を悔やんでいると、右腕の裾に多少の負荷がかかった。効果音で例えるなら… チョンチョンと引っ張るように。
それも来た方向に。

つまり、魔理沙が帰ることに同意した、ということだろう。
ホント魔理沙は素直じゃないよな… まぁ、そこが可愛いところと言いますかなんと言いますか。

ふふと笑い、二人同時に回れ右をして来た道を戻ることにした俺と魔理沙だった。




■■■




「なぁ魔理沙さん」

「…」

「今の状況で言うのは非常に失礼だということは承知なのですが…」

「…」

「ここ、何処かわかります?」

迷子だ。
思えばここ。いつも八雲家から神社に来る道ではない。地図を見ても来た道が変わっているためわからない。恐らくこの地図はかなり前に描いたもので、今では道が変わっているのだ。そもそも森の中、そして真っ暗闇の夜中、迷子になるという必殺技がでる条件を百パーセントオーバーで満たしているのだ。
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