3部分:第三章
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第三章
「どうしたらいいかな」
「どうしたら?」
「だからだよ。どうしたらいいんだよ」
こんなことを言い出してきたのだ。
「場所とかな」
「それか」
「そうだよ、それだよ」
まさにそれだというのである。
「場所に時間とかな」
「そんなの自分で考えろ」
友人は騒ぐ彼を思いきり突き放した。
「俺が知るものか」
「何だよ、それでも友達かよ」
「友達でも何でも知るものか」
いい加減声が怒ってきていた。
「あのな、御前のことだろう!?」
「ああ、そうだよ」
「それなら御前でしろ。俺はアドバイスはできるが御前じゃないんだ」
「じゃあアドバイスはどうなんだよ」
「御前がいいと思うようにやれ」
これであった。
「いいな、思うようにだ」
「やれっていうのかよ」
「そうだ。御前が思うように、いいと思うようにやるんだ」
このことを右手の人差し指を上から下に振りながら告げた。
「わかったな、いいと思うようにだ」
「じゃあ俺が考えるんだな」
「ただしな、間違っても最初からな」
「最初から?」
「強引にとかホテルとかそういうのは考えるな」
このことはしっかりと忠告するのだった。
「いいな、それはだ」
「何だよ、その成人漫画みたいな展開」
崇もその話には流石に現実にあるとは思っていなかった。それは今の言葉にも出ていた。
「幾ら俺でもそんなのしねえよ」
「そうだろうな。そこまで考えている奴が今ここで騒がないな」
「そうだよ。とにかく自分で考えろか」
「ムードだ」
何だかんだで親密にアドバイスをしている。
「ムードのある場所でだ」
「ファーストキスはか」
「そうだ、決めろ」
これまでにない強い言葉であった。
「ムードのある場所でだ。いいな」
「それじゃあ夕方の河川敷とか公園でとかか?」
「それは自分で考えろ」
それはというのである。
「いいな、自分でだ」
「それは自分でかよ」
「とにかくムードなんだよ」
友人はあくまでそれを考えて決めろというのである。
「いいな、恋っていうのはな」
「ムードかよ」
「一にムード二にムード、三も四もムードで五もムードだ」
「三も四もあるのかよ」
「あるんだよ」
ここでも強引に言い切る彼だった。とにかくそれで押し切っている。
「恋愛はそれなんだよ。だからとにかく自分で勉強して決めろ、いいな」
「ああ、わかったよ」
ここで崇も遂にはっきりと頷いた。
「それじゃあな。ムードだな」
「そうだ。わかったらさっさと本屋に行け」
「本屋で本買ってかよ」
「あとネットでも検索しろ」
それも勧めるのだった。
「それで勉強するんだ、とにかくな」
「そうやってか」
「まあ御前がそこまで必死だとな」
彼はここ
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