暁 〜小説投稿サイト〜
竜から妖精へ………
第7話 コミュニケーションの取り方
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いけど、ナツの攻撃、それを防御する時は注意する。魔力を集中させる。


 何故なら、ナツの魔法は《滅竜》。
 竜を倒すための魔法。種類としては圧倒的攻撃魔法だからだ。
 でも、幾ら魔法が強くても、それを操る術者がまだまだ未熟で弱い。


 それでも、幾ら弱っちくても、そのナツの攻撃を笑顔で受け止めていたあの姿には驚愕したし、戦慄した。

 丁度 その時、ミラは横目でエルザを見た。多分、エルザもミラと同じだったんだろう。
 その表情は強ばっており、額から汗が流れ落ちていた。


 あの笑顔で、あやすような感じ。ミラの脳裏には、ギルダーツが浮かんでいた程だった。


 そして、ナツ自身は、その感覚を直に感じていたんだろう。


 最後には、自分で出来る全て、……全魔力を使った炎、《火竜の咆哮》それに懸けた様だ。


 でも、ゼクトがそれをあっさりと打ち消して、更に攻撃の直後だと言うのに、直ぐに動いていた。……かなりのスピードで、だ。ナツの背後に回り込んで一撃。

 それでナツは麻痺ってる。



 正直、目を見張った。誤魔化したりはしない。冗談抜きでだ。











 ゼクトは、少し戸惑っていた。
 

「いや……あの……」

 何故なら、ミラに、先程からずっと睨まれてるから、仕方がないだろう。何か悪い事をした覚えもないから。

 今までは主に大人の男。それも、目を見ただけで嫌な感じがする大人達だ。攻撃することも躊躇しないでいける。でも、このギルドの皆は何か暖かい。それが、《フェアリーテイル》と言う名前のギルドだけと言う訳じゃなくてだ。
 色々とあって、誰かに睨まれるのには慣れてる、と言いたいけれど。

 ゼクトは、何だか嫌だった。それにミラだから。女の子に、だからだ。


「ッ………」


 だから、ゼクトは反射的に目を反らせた。ミラの目を直視出来なくなってきた。

「ん…? 何で目を逸らせてんの?」

 ゼクトを見て、ミラは不思議そうにそう言っていた。どうやら、ゼクトは睨まれている、と感じていた、実感していたのだが、ミラ自身は、ゼクトの事を睨んでいると言う自覚はなかった様だ。……周囲から見たら、明らかなのだが。


「いや……、あの、な、慣れてないから……」

 ゼクトは、少し慌てながらそう返す。

「ん? 何が?」

 ミラは、ゼクトの返事にキョトンっとしていた。何の事か検討もつかなかったから。

「その…じっと見られてるの……は………」

 ゼクトは そう言うと 言う為にミラと目を合わせていたのだが、直ぐに目を逸らせた。



――……ゼクトのそんな姿を見ると、さっきの勇猛果敢な姿は一体どこ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ