第十四話:骸骨の刈り手、禍ツ神
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んてただのオレの我儘だ。無慈悲な神がそれに付き合う必要はない。
死ぬかもしれない。死ぬのは怖い。
それでも。
それでも。
????護るのは、オレ達の役目だ
目を開く。頭上からは一筋の光が。手を伸ばす。
『行ってらっしゃい』
† †
万感の思いが、たった一人の少年を思う意思の力が、神を打ち破る。
目の前では、繰り出した剣戟の悉くを盾で叩き落される少年の姿。
????守ってみせる
少女は呟く。
剣を抜いている暇はない。ならば、この身を差し出してでも。
キリト君は????わたしが????!!
立ち上がる。
赤い光を宿した剣が、最愛の少年に落ちようとしている。
『ああ、行ってくる』
不意に、ぐい、と肩を引かれた。
次いで、視界を覆う白い外套。
直後、高く澄んだ金属音が空気を切り裂いた。
† †
「レ、ン……?」
目の前に現れた青年の名を、キリトは呟いた。
管理者権限により行動の一切を封じられていたはずの青年は今、ヒースクリフとキリトと間に割って入り、今まさにキリトを断ち切らんとしていた剣を濃紺の剣で防いでいた。
「????これは驚いた」
その言葉とは裏腹に、茅場の表情に浮かんだのは紛れもない歓喜だった。
人の可能性。醜くも気高い、人の本質。茅場がこの鉄城と同様に見たいと願ったものを体現した英雄。その人が、今再び、目の前で奇跡を起こしてみせた。
「麻痺から回復する手段はないはずなのだがな」
「……それこそ、お前が望む人の意思の力が為したんだろうよ」
「フ……やはり君は素晴らしい。君こそが、私の望んだ真の英雄だ」
惜しみない賛辞を、しかしレンは相手にすることはなかった。
力任せに茅場の剣を押し退けて、距離を取る。
「それでどうする? まだ続けるか?」
今のレンに最早迷いなどない。
例え勝ち目がないとしても、戦う決意はできている。
「ああ、続けよう。いや、ただ続けるだけでは詰まらない。そう、試練だ。英雄には試練がつきものだからな。君には、最大の試練を与えよう!!」
ヒースクリフが左手のウィンドウを再び操作した。その指の動きに淀みはない。
直後、世界が揺れた。それと共に微かに機械の駆動音が聞こえてくる。
「なんだ、この音…!?」
隣に立つキリトが驚きの声を上げる程に、その音は地鳴りを伴って大きくなっていった。
やがてそれの原因が、可視化されていく。
歓喜の笑みを浮かべる茅場の背後。今の今までただの空間だったそこには、巨大な人型のナニカが立
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