第十四話:骸骨の刈り手、禍ツ神
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せることができる。
彼の熱意が、彼の勢いが、この場にいる人間に伝播するのだ。
「クソッ、こいつまだ!?」
全員が各々のソードスキルを放ち終え、スキルディレイに体を縛られた時、スカル・リーパーが緩慢とした動きで起き上がった。
プレイヤー全員が、目を見開く。だが彼らの胸中に驚きはあれど、恐れはなかった。
何故ならば。
「エクスッ…!」
最も信頼する英雄の一撃が、まだ残っていたから。
「カリバァァァァッ!!」
濃紺の剣から放たれた光の奔流は起き上がりつつある骨の怪物に直撃し、その巨体を押しやる。そして、
「うおおおおおッ!」
更に出力が上がった勝利を呼び込む聖剣の一撃は、遂に、スカル・リーパーの全てを呑み込んだ。
† †
「……何人…やられた……?」
同じように床に座り込んだディアベルに問われ、レンは右手を振ってマップを呼び出した。ボスフロア内に存在する光点を数えて、当初いた人数から逆算する。
「……十人、だな」
ギリッ、とディアベルの歯が鳴る。
第七十五層攻略作戦に於いて、偵察班含め、二十人が死亡。その全てが、歴戦の攻略組プレイヤーであることが、事の重大さをより深刻にしている。
「それでも、あの男はピンピンしている。全く、本当に化け物かい?ヒースクリフは」
ディアベルの視線の先には、悠然と立ち続ける聖騎士の姿が。
たった一人であの巨大な骨鎌を防ぎきって見せた彼に、しかし疲労の色はない。ただ、慈愛に満ちた眼差しで、力尽きて床に倒れたプレイヤー達を見下ろしている。
「……いや、バケモンなんかじゃねえよ。アイツは?????」
?????アイツは、神だ
言いかけた言葉を呑み込む。これ以上言ってはダメだ。
ヒースクリフは、正体がバレた暁には計画を早め一足先に攻略組から離れ最上階の紅玉宮へ向かうつもりなのだ。それは、ダメだ。できるだけ長い間、ヒースクリフの力を攻略組に留めておかなければ、被害は、これだけでは済まなくなる。
「ん……?」
ディアベルの声に、思考に埋没していた意識が浮上する。
その刹那。
どうしようもなく嫌な予感が、レンの背筋を駆け抜けた。
「キリト………っ!?」
見れば、レンの15メートル先にいた黒衣の少年が、漆黒の愛剣を携えて地面を蹴っていた。
????まさか、気付いたのか!?
反射的に、レンもエスピアツィオーネを呼び出してその柄を握る。キリトとヒースクリフの間に割り込もうとして、しかし、既に手遅れなのだと悟った。
ペールブルーの閃光が尾を引いてヒースクリフに迫る。完全な不意打ち。だが、ヒースクリフは驚異的
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