第十四話:骸骨の刈り手、禍ツ神
[4/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
……これで決める。耐えてくれよ、ディアベル」
「任せてくれ」
擦過音を響き渡らせ、骨の骸は自身の眼前で両腕の鎌をクロスさせた。
プレイヤー達の緊張感が膨れ上がる。
「……投影、開始??????!」
レンが斧剣を握る左手を持ち上げ、ディアベルが三歩前に出て盾を構える。
赤き四つの光芒が、二人を睨めつける。それを真正面から受け止めるレンとディアベルには、一体どれだけのプレッシャーが伸し掛っているのかは他のプレイヤーには分からない。
ただ一つ、言えることがあるとすれば。
二人は揃って、不敵な笑みを浮かべていたということだけだ。
「う、おおおおおお!!」
盾と鎌が激突した。その激しさは、フロア中に飛び散った火花のようなライトエフェクトが雄弁に物語ってる。
されど、蒼白の騎士は一歩も引かず。あろう事か、彼の四倍もあるだろう巨体を押し退け始めた。
「行くぜ?????」
ドクンと空気が脈打つ。斧剣から伸びた血管のような青白い紋様が左腕を通り、頬まで到達していた。そして、その紋様に影響を受けたかのように左目も青く染まる。
「是、射殺す百頭」
神速の斬撃。空間すら切り裂くソードスキル。
その威力は絶大。ディアベルの横を通り抜け繰り出した九連の斬撃は、世界を置き去りにして骨百足の髑髏に亀裂を生じさせた。
スカル・リーパーが、悲鳴を上げ、その巨体を仰け反らせる。
フロアに歓声が湧く。握りしめた拳を突き上げて、目先に迫った勝利に歓喜する。
その、中で。これまで如何なることにもその表情を激に彩ることのなかった聖騎士の顔が、驚愕に歪んでいたのを知る者は、現れなかった。
「クライン!」
「おおよッ!!」
いつの間に移動していたのか、愛刀を鞘から引き抜いたクラインがレンの背を蹴って跳躍した。
鈍色の光を放つ日本刀に、攻撃的な赤い光が宿る。
「喰らいやがれぇッ!」
一撃の威力に重きを置いた刀スキルの単発攻撃。《絶空》と名付けられた一閃は、この世界でも随一の筋力によりその威力を底上げされ、骨百足の頭蓋に罅を入れ、そのまま横転させる威力を孕んでいた。
「これで決めるぞ! 役割なんて忘れやがれ!テメエらが持つ最強を、まとめてぶつけろッ!」
英雄の号令に、生き残った戦士は奮起する。
その白き英雄の姿に、キリトは、ディアベルは、アスナは、かつてのレンを幻視した。
自らに課した贖罪により、心を、過去を閉ざしたレンだが、やはり彼の本質はなにも変わってなどいなかったのだ。
誰よりもアツく。それでいて、誰よりも冷静。そして何より、人の心を燃え上がら
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ