Chapter 1. 『ゲームの中に入ってみたいと思ったことは?』
Episode 3. Hunglina in the Arena
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スが天井を蹴って一気に落下。大上段から振り下ろした一撃が、マトモにディアベルに直撃した。真っ赤な傷が、胴体を分断してしまうくらいの深さで、奴に身に刻まれる。
さらに追い打ちの一閃で、ディアベルが高く打ち上げられたところで、俺は半ば反射的に駆け出していた。
「一護、なにをするつもり!? ディアベルのところにはさっきの直剣使いが行ったから――」
「違う! アイツ、また跳ぼうとしてやがる! 多分、次は本隊がやられるハズだ! それを防ぐ!!」
「それは無理。貴方の片手剣と野太刀じゃ、火力の差が……」
「ンなこと知るか!」
リーナの忠告を振り切って、俺は突貫する。ボスは空中高くに飛び上がり、本隊のど真ん中に狙けて今まさに急降下しようとしていた。
確かにリーナの言う通り、俺のこの細っこい剣じゃ力不足かも知れねえ。でも、ちんたら考えてるヒマもねえ。やるしかねえんだ!
俺は剣を寝かせて剣先を前に向け、身体の横で中段に構えた。蒼いエフェクトが煌々と灯ったその刃を、
「舐めんなよ、デカブツが!!」
ボスの振り下ろした太刀の剣先にブチ当てた。
俺が選んだ単発突進技《ライト・バリスタ》は、今習得しているスキルの中で一番威力が高い。反面、刺突という攻撃法からして、相手の剣を止めるのには向いてないし、避けられると簡単にカウンターをくらう。
けど、こうやってピンポイントで相手の剣に当てられれば、ムダに上げている筋力パラメータとスキルの威力で相討ちにできるし、体制を崩せれば相手より先に次の攻撃に移れる。
成功させるには高速で動く刀身に自分の刺突を上手く当てる必要があったが、死神として今まで戦ってきた連中よりもはるかに遅い攻撃だ。銀城相手にも一度やって成功している以上、バカでかい太刀を相手にするくらいワケなかった。
「ジャマなんだよ、っと!!」
技後硬直から回復した俺は、宙に弾き返したボスの巨体に《スラント》を叩き込んで本隊から遠ざけた。野太い鳴き声と共にボスが数メートル吹き飛ぶが、赤く光る眼は俺を捉えたままだ。このままではすぐにこっちに戻ってくる。それじゃあ意味がない。
だから、
「テメーは、ここで仕留める!!」
飛ばした先で追撃を仕掛ける。
もう一度《ライト・バリスタ》の構えをとって、ボスの着地点目掛けて疾駆。器用なことに空中で上段斬りのスキルを立ち上げたボスに斬りかかった。
スキルの立ち上がりは向こうの方が速いが、斬撃速度はこっちに分がある。このまま一気に斬り捨てーー
「止せ! 上段はフェイクだ、下段から来る!!」
寸前、声が響いた。
その直後、ボスの動きが急加速し、上段にあったはずの太刀が下段構えに切り替わる。咄嗟に避けようと思った
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