Chapter 1. 『ゲームの中に入ってみたいと思ったことは?』
Episode 3. Hunglina in the Arena
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っ斬ってやる!!」
再び《ホリゾンタル》の構えを取って、俺は一直線に突撃した。
単調に振るわれるポールアックスを見切り、弾き、スイッチしてリーナが即座にトドメを刺す。再湧出するまでの数秒でリーナが後退し、また俺が迎撃する。十秒かそこらでループする攻防を、俺たちひたすらに続けていった。
そろそろ討伐数が十に迫っていたとき、デカい咆哮がボス部屋中に響き渡った。
視線をそっちに向けると、HPバーが最後の一段の四分の一、レッドゾーンまで減ったボスが、手にした斧とバックラーを高々を放り投げるところだった。-
「向こうは最後の詰めってトコか。リーナ、コイツを倒したら俺等もあっちに合流するぜ」
「倒したら、ね」
素っ気なく返答し、接近してくるセンチネルに注意を促すリーナ。どこまでも冷静な奴だ。
昨日は「食事以外で円滑な関係が築けるかは分かんねえ」とか思っちまったが、この分だと戦闘中にケンカすることはなさそうだ。性懲りもなく真正面から打ちかかってきた最後のセンチネルの持つポールアックスの頭を《ホリゾンタル》で大きく弾きながら、そんなことを考えていた、その時だった。
「ダメだ! 全力で後ろに跳べ!!」
絶叫とも言える警告の言葉が響き渡った。
何事かとそっちを見ると、俺らと同じようにセンチネルと交戦していたF隊の片手用直剣使いの男が、ボスの方を見て必死の形相を浮かべていた。
その視線の先には、何故か独り突出してボスと対峙するディアベルの姿。最後のおいしいトコを掻っ攫おうとでもしているのか。だとしたら意外とセコイ奴だな、と俺は少し呆れてしまう。
でも必死で制止する程の事態にゃ見えないし、一体何が……?
俺が事態を飲み込めずにいると、
「……おかしい」
「リーナ?」
「ボスの武器が情報と違う」
センチネルを仕留めて戻ってきたリーナが、さっきまでよりも一段低い真剣な声を上げた。言われて見ると、確かにボスが手を掛けたのは事前情報にあった曲刀じゃなくて、反りのない武骨な太刀だ。刀身の長さは三メートルはあるように見える。
でもちょっと武器が変わってる程度、大したことねえんじゃ……いや、待てよ!
「おいまさか、曲刀とあの太刀って、攻撃パターンとか違うんじゃねえのか!?」
「当たり前で……ッ!?」
リーナの言葉が途切れた。
見れば、太刀を抜刀したボスが大きく跳躍、天井近くの柱を蹴ってディアベルの真上を跳び回り始めた。間合いを詰めに行っていたディアベルも何とか目で追おうとしているが、自分の真上で動き回られているせいか、付いていけていない。
「まずい、あれじゃ上から強襲され――」
リーナが言いかけた直後、その言葉が現実になった。
ボ
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