Chapter 1. 『ゲームの中に入ってみたいと思ったことは?』
Episode 3. Hunglina in the Arena
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を構えて出現している。
センチネルが出そろうや否や、コボルド・ロードは猛然とこちらに向かって突進してきた。巨体に似合わないその突撃速度に周りの連中が気圧されたそうに硬直する。
先頭近くにいたトゲ頭が足を一歩下げようとした瞬間、
「怯むな! 攻撃を開始する!!
本隊は前進してセンチネルをスルーしつつボスと交戦! D・E・F隊は分散し、背後と側面を突きにくるセンチネルを各個撃破だ!」
ディアベルから鋭い指示が飛び、下がりかけた士気が一気に持ち直された。
各々が雄叫びを上げ、武器を手に猛然と突っ込んでいくのに合わせて、俺とリーナのD隊も左側面から進撃を開始する。
「リーナ! 左のザコが突出してきてる! 先手打って仕掛けるから、フォロー任した!」
「了解。突撃したら右を空けて、飛び込むから」
「ああ!」
並走からリーナが一歩分下がるのと同時に、俺は前に出た。剣を脇構えにして、一気にセンチネルとの距離を詰める。
兜の中から響くくぐもった声と共に振り下ろされたポールアックスを、俺自身のダッシュの勢いを乗せた《ホリゾンタル》で力任せに弾き飛ばした。
「いいぞリーナ、スイッチ!」
「ん」
俺が叫ぶと同時に、今までぴったりと背後にくっついてきていたリーナがするりと前に出た。俺の右脇ギリギリを追い越したリーナはすぐにソードスキルを発動。下段に構えた短剣を鋭く斬り上げ、終点で逆手に持ち替えて一撃目を逆再生するかのような軌跡で斬り下ろした。
今のは確か、短剣の二連撃《バウンドノート》だ。一瞬で叩き込まれたその二連撃で、センチネルのHPゲージが三割弱まで削られる。
だがリーナの動きは止まらない。斬り下ろしで前のめりになった体勢のままショルダータックルを敢行、センチネルが数歩たたらを踏んだその隙に、
「鈍い、死ね」
強烈な逆手突きを顔面に叩き込んだ。スキル攻撃ではないものの、的確に兜の隙間を貫いた刃の威力は強烈で、残っていたHPをきっちり削りきっていた。
「ぃよーし、後はデカブツを斬って終わり――」
「じゃない。前を見て」
いつの間にか俺の隣に戻ってきていたリーナに促され、俺は前方に視線を向けた。
すると、奥から新たに二体のセンチネルが出現し、こっちに向かって駆けてくるのが見えた。咄嗟に周囲を確認すると、片手用直剣の男と細剣の女がいるF隊はもうセンチネルを倒していたが、槍と斧の男二人組のE隊はまだ戦闘中だった。
つまり、
「ボスのHPバーが赤くなるまでは、上限三体で無限湧きみたい」
「チッ、ボスのお供のクセによえーと思ったらそういうことか」
「……来た、正面から一体。もう一回弾いてスイッチして」
「上等! 片っ端から叩
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