Chapter 1. 『ゲームの中に入ってみたいと思ったことは?』
Episode 1. Blue boa is comin'
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ンタジー世界を気楽に見て回っていよう。まだ北部の地区なんかは見てないから、そっちで適当なメシ屋を探すか。
考えがまとまったところで、街に向けて一歩踏み出した瞬間、
「……ッ!? 何だ?」
どこからか鳴り響いてきた鐘の音と同時に、身体が青い光に包まれた。かと思ったら次の瞬間には俺は町の広場に居た。
一瞬事態が理解できなかったが、大きな鐘の音が鳴り続け、俺の周りに次々と他の連中が転移してくるのを見て、どうも強制的にここにワープさせられたということに気付いた。
何かイベント的なことでもやるのかと思ったが、別に変わったものは出てこないし、鐘の音以外は聞こえない。
「……なんだが知らねーが、別になんもないなら行っちまっていいか。イベントに参加させられて止め時逃したらイヤだし」
そう独りごちて広場を後にしようとした、その時だった。
「な、何だ……? 空が……!」
誰かがそう呟いたのが聞こえた。
頭上を仰ぐと、今までの夕焼け空が『Warning』『System Announcement』――つまり、警告、システムからの告知、という英語表示に埋め尽くされていくところだった。さらに、空の隙間から血を思わせるドロドロした真紅の流体が零れ出してきた。何とも悪趣味な演出に、俺は少し顔を顰める。
その気味の悪い流体は広場の時計台の傍に寄り集まり、巨大なローブ姿の人型を形成した。陰になっていて顔は見えないが、言いようのない圧力のようなものを感じて、俺は無意識に剣の柄に手をやっていた。
そして、
『プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ』
低い男の声が聞こえた。
◆
十一月六日、午後五時三十分。
在り来たりなはずだった初冬の夕方に、俺の、俺たちプレイヤーの運命は、大きく捻じ曲げられた。
VRMMORPG『Sword Art Online』は、この日この時この瞬間から、クリアするまで脱出・蘇生不可能、そしてゲーム内の死が現実の死に直結する、史上最悪のデスゲームとなった。
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