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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第44話 真祖の覚醒
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しい笑顔でアカーシャは言い切った。亞愛は、その言葉を感じゆっくり目を瞑りながら、呟いた。
「…私も大好き… モカの事、一緒にいるだけで不思議とあったかい気持ちに慣れる」
「あなたには特に懐いていたものね」
亞愛の言葉に、アカーシャは笑いかけながら話した。
「
是是
(
シーシー
)
♪ だって、性格は正反対なのに逆にそれが相性ピッタリで〜♪」
つられて 亞愛も笑いながら答えた。
「……だから感謝しているの あの子を館から避難させてくれて。本当はもっと早くに行動するつもりだった…… でも、モカの事を考えるとどうしても二の足を踏んでしまって 気付けば1年以上が過ぎていたわ……」
亞愛はアカーシャにゆっくり近づきながら、表情を一気に変えた。
「
だってあなたが死んだら
(
・・・・・・・・・・・
)
モカは酷く悲しむでしょう
(
・・・・・・・・・・・・
)
?」
傍から見れば、悲しそうな表情に見えるのだが……その顔は酷く冷徹な顔にも見える。まるで 悪魔の様に。
「私には目的がある それはかつて最強と呼ばれたアルカードのように「真祖」の力を得ること… だから血が必要なの アルカードを倒して三大冥王と呼ばれたあなたの…「真祖」の血が!」
明確な殺意とその目的を訊かされたアカーシャだったが、決して笑顔を崩さなかった。
「それで……真祖になってどうするの? アルカードのように自分を苦しめた人間達の世界を滅ぼすつもり?」
それを訊いて、亞愛は少し表情を崩した。
「……いいのよ 遠慮しないで、私は逃げも隠れもしないし、今日この棟に誰も近付かない様言ってある…… 邪魔は入らない」
「……
謝謝
(
シェーシェー
)
恩にきるよアカーシャさん」
アカーシャは笑顔のままで
「亜愛…人間を苦しめるのだけはダメ……。 だって、
あの人
(
・・・
)
が命に変えてでも。自分の命を捨ようとしてまで、護った存在だから。それだけは分かってもらうわ」
亞愛、そしてアカーシャ2人の間には、戦う前の緊迫感等はない。ただただ、複雑な想いが交錯していた。……だが。
「かかってらっしゃい亜愛…あなたが抱えている想い私が全部受け止めてあげる……」
アカーシャのその言葉で、2人は完全な臨戦態勢に入るのだった。
アカーシャと亜愛
アカーシャは己の妖力を完全に抑えている上に、今回の相手は義理の娘である《亞愛》。相手にするには、分が悪すぎる。優しすぎる彼女だからこそだ。
だから、亞愛が繰り出す、この世に斬れぬものはない、とされる世界最強の刃、《崩月次元刀》を防ぎきれず、その身体に幾らか食らってしまい、傷を負っていた。
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