account 1 日常
[1/5]
前書き [1]次 最後 [2]次話
20XX年 4月24日 16:30
右見ても、左見ても、視線に入る ほぼ皆全てが ケータイを見ている。操作をしている。それは、学校であろうと、街中であろうと殆ど同じだ。世の中は いつからこうなったのだろうか。
四六時中、弄って弄って……、それしか する事が無いのだろうか。
少し前までは、子供だったら外を駆け回って遊んだり、公園で遊んだり。それは学生だってそう。色んなレジャー施設に遊びに行ったり、友達と一緒に買い物に出かけたり、スポーツ観戦をしに行ったり、映画を見に行ったり、と色々出来る事もあるし、それらをする方が良いだろうとも思える。大きくなれば成る程に、行動範囲が広がる。選択肢は広がっていくんだから。
――……なのに、なんで ケータイばかりなんだろう……、どうしても判らない。
「――って、なんてね。僕が なんだかついていけないだけだから。……機械とか、苦手だし。これがアブれる、って事、なのかな? ……いや 間違いなく、だよね。……はぁ」
永々とため息を隠れながら吐いてしまう少年が1人、教室の片隅。一番隅の席で座っていた。本を読むふりをしながら、顔を隠して。
彼は、学校に転校してきたばかりの転校生だった。
人見知りが少し激しく、更には機械が苦手、と言う理由でケータイは持っているものの、殆ど扱ってない。目的は電話くらいであり、相手も家族である妹くらいだけだ。転校前、
地元には少し話せる程度だが、友達はいたけれど……、とある時期から、話が少なくなってしまったのだ。
「(あれ、やってないと……やっぱり なかなか話題が見つからないよね……)」
彼が言う《あれ》とは。
「おっ、彼女から、メッセが来てた」
「おおっ 《リアアカ》の新作ゲーム、明日配信開始だって!」
「マジ?? 見せて見せてー」
「うーむ……、漸くフォロアーが増えた……」
「さいてーだ。既読スルーなんか、すんなよ……」
「あ〜、いつ見ても、このマスコットの顔、なんか腹立つよな〜」
彼の姿等最早眼中にないのは仕方ない。教室に残っている生徒の殆ど全員がケータイを操作したり、その内容を話したりをしているからだ。
そう、彼が言う《あれ》とは、そのケータイ。皆が夢中になってしているモノは。
《リアアカ》、こと『リアルアカウント』
国内最大のSNSの名称だ。
それは、数年前までは 沢山の種類があったSNSだが 全てが統合された、基本実名登録で、現実ともリンクしていて、サービスもかなり充実している。手軽に利用出来るモノが多い為、どんど
前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ