第12話トラウマという名の恐怖
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
所に移動した。オレはみんなの墓を傷つけたくないから移動したけど、あいつにはそんな気はないだろう。
******
「うおおおおおおおおおお!」
「シット!」
戦闘開始から早くも10分、オレは両手剣《ドラゴンスレイヤー》での猛ラッシュで奴のトマホークを破壊した。武器や防具は耐久値がなくなったら消滅する仕組みになっている。武器を失った奴が武器を持ち変えて反撃する前に一気に畳み掛ける!
「いけえええええええ!」
「おっと!」
オレは両手剣ソードスキル《スコッピード》をPoHに放つがかわされてしまった。ソードスキル使っちまったから身体が硬直しちまった。その隙に奴は武器を持ち変える。
「丁度こいつを使ってみたかっかったんだ。この・・・」
「!!・・・そ、それは!!」
奴が持ち変えた武器、それを見た瞬間オレの身体は硬直した。ソードスキルの硬直時間はもう終わった、原因はその武器の形状だ。刃渡りの大きな中華包丁、あれはーーー
「友切包丁をなぁ!」
2年前、オレの左腕を切り落とした包丁と同じ形だ!
「嘘だろ?な、なんで、なんでアレが!」
オレの硬直の原因、それはーーートラウマ。2年前の5月、オレの左腕を切り落とした通り魔が持っていた凶器。それが中華包丁だった。奴の装備した友切包丁もそれと全く同じ形だ。
「おいおいどうした?そんなに取り乱して・・・ハハーン」
突然取り乱したオレを見てPoHはオレの左腕が''あった''箇所と自分が持っている友切包丁を交互に見てーーー笑った。
「そういう・・・ことかああああ!!」
「!!」
PoHにオレが隻腕である理由が知られてしまった。それにつけこんでオレに大きく切りかかって来た。オレは避けようとするがーーー
「動け!動け動け!動いてくれ!!」
足が動かない。怖くて、怖くて堪らない。だからこそ早く逃げるように足に動けと言い聞かせる。そうしている間に奴の包丁がーーーすぐそばまで来ている。
「(ああ、そうか。オレ・・・ここで死ぬんだ)」
この世界に捕らわれて、妹や友達と再会して、友達を殺されて、妹を置いてその友達の敵に殺される。オレってーーー
「ダッセェな・・・」
翼、弾、かんな、亜利沙、もうそっち行くよ。ゴメンな未来、お前を置いて先に行くことを許してくれ。ーーーこの世界が消えたら父さんと母さんに謝っておいてくれ。
オレは奴の包丁に切られるのを目を瞑って待っていた。それが降り下ろされーーー
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ