第1話 賢将との邂逅
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あ、美味かったぜエックス様」
ハルピュイアはレヴィアタンの箱を押し退けてルインの箱を開くと、中にはとても美味しそうなガトーショコラがあった。
見た目も良く、きっとルインのことだからレヴィアタンのようなこともないだろうとハルピュイアはケーキを一口分に切り分け、口に運んだ。
「……美味い…」
自分好みの甘さのケーキに思わずハルピュイアの口元が綻んだ。
「それにしても、ルインと同じ顔なのにどうしてああも違うんだ…」
「あのなぁ、ハルピュイア。考えてみろよ…ルインなら違和感ない笑い顔でもレヴィアタンが同じように笑ってみろよ、どう思う?」
「………気味が悪いな」
「だろ?」
「君達…」
ファーブニルに聞かれてルインと同じように無邪気に笑うレヴィアタンを想像してげんなりするハルピュイアと、散々な言われように苦笑するエックスであった。
「シエル。チョコだ」
「え?」
一方でルインと別れてゼロにチョコレートを渡そうとしたのだが、何故かゼロの方からチョコレートを差し出されてしまった。
「今日はバレンタインだろう?バレンタインは世話になった奴にチョコを渡す行事だと聞いた」
「ゼロ…それ少し間違えてるわ。女性が男性に贈るのよ…?」
「そうなのか?」
「ええ…、でもありがとう…私のチョコ…貰ってくれるかしら?」
「…有り難く戴こう」
互いに交換する形でチョコレートを貰うのだった。
そしてサイバー空間にて、エックスとルインは色々と話し合っていた。
「ありがとう、エックス。レヴィアタンはハルピュイア達に渡してくれた?」
「うん。みんな、美味しかったって。ファントムも“とても美味です”と言っていたよ」
「本当?良かった…」
安堵したように笑うルインにエックスは今まで気になっていたことを尋ねようとした。
何故ならエックスだけが、ルインからチョコレートを貰っていないのだ。
まさか自分の分だけ忘れられていた?
いやいやルインに限ってそんな…。
「エックス、そこで待っててくれる?」
尋ねる前に向こうから調達してきたのであろう、椅子に座らされたエックス。
テーブルが置かれ、テーブルに丸い蓋に隠された何かが置かれた。
この甘い匂いは…。
「エックスのは特別♪じゃ〜ん♪」
ルインが蓋を外すと、甘い匂いと共にそれは姿を現した。
「うわあ…」
それを見たエックスは思わず目を見開いた。
ふわふわのスポンジがチョコレートクリームでコーティングされ、乗っかった苺とベリー系が彩り良く飾られていた。
「これをルインが作ったのかい?」
「うん、でも久しぶりだから不格好かも」
言われてみれ
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