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ソードアート・オンライン 〜黒の剣士と神速の剣士〜
SAO:アインクラッド
第29話 絶体絶命
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ナが細剣を構えるや猛然と攻撃を開始したのだ。
「おっ……くおおっ……!」
クラディールは必死に両手剣で応戦するが、アスナの剣術の速さには追いつけず次々とクラディールの体を切り裂き、貫く。
「ぬぁっ!くあぁぁっ!!」
クラディールは半ば恐慌を来し剣を無茶苦茶に振り回すがアスナにはかすりもしない。
クラディールのHPバーがみるみる減少していき、黄色からついに赤い危険域に突入したところでクラディールは剣を放り投げ両手を上げて喚いた。
「わ、わかった!!わかったよ!!俺が悪かった!!」
クラディールは地面に這いつくばりながら更に叫ぶ。
「も、もうギルドは辞める!あんたらの前にも二度と現れねぇよ!!だがら───」
アスナはクラディールの叫びを黙って聞きながら、ゆっくりと細剣を掲げ逆手に持ち換える。
そして数センチ剣を振り上げ、土下座するクラディールの背の真ん中に一気に突き立てようとした瞬間、クラディールは一際甲高い悲鳴を発した。
「ひ、ひぃぃぃっ!!死に、死にたくねぇぇぇぇ!!」
「っ!!」
がくっ、と見えない障壁にぶつかったかのようにアスナの剣が止まった。
アスナの細い体はぶるぶると激しく震えていた。
アスナの葛藤、怒りと恐怖をキリトとサキはすぐに感じ取った。
この世界で誰かを殺せばその相手は現実世界において本当に死ぬ。
PKなどというネットゲーム用語で包んだところでそれは真に殺人行為なのだ。
だから、アスナがクラディールを殺すのを躊躇するのは正しいことなのだ。
しかし、今、この状況での躊躇はマイナスでしかなかった。
「ッヒャアアアア!!」
土下座していたクラディールはいつの間にか大剣を握りなおし、突如の奇声と共に剣を振り上げた。
ギャリィィン!、という金属音と共にアスナの右手から細剣が弾かれた。
「あっ……!?」
短い悲鳴を漏らし、体勢を崩したアスナの頭上でぎらりと剣が輝いた。
「アアアア甘ぇぇぇぇんだよ副団長様アアアアアア!!」
絶叫と共にクラディールは剣を躊躇いもなく振り下ろした。
「アスナ!!」
剣がアスナに触れる直前、サキがクラディールとアスナの間に割って入りクラディールの剣を弾いた。
クラディールは一瞬顔を歪ませたがすぐに口の端を釣り上げ、不敵な笑みを浮かばせながら叫んだ。
「そんなんで防いだつもりかよ、副団長補佐様ヨオォォォオオ!!」
クラディールは弾かれた剣を振りかぶるとサキめがけて振り下ろす。
サキは細剣を水平に構え、左手で刀身を支えクラディールの攻撃を防ぐ。
しかし、細剣と両手剣では相性は悪くサキは4度目の攻撃で体勢が崩れた。
「ヒャアアアアア!!」
「あっ……」
クラディールは
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