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ウラギリモノの英雄譚
カイソウ――ダカラ、彼女ハ生キレタ
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消え、道場に一人残った要はただ膝を抱えていた。
「まるで変身した時に見える幼い自分だ……」
 今の自分の姿を嘲笑(ちゅしょう)し、立ち上がる。
 気持ちの整理はつかない。
 だが、莉子の様子はまだ破壊衝動に飲まれたというわけではなさそうだった。
 だったら何としてでも、莉子を止めなければならない。
 幾子はまだ変態した莉子の姿を見ていない。人質のこともある。幾子に任せていれば莉子は殺されてしまうかもしれない。
 それがただ嫌だった。

 だから要は、莉子と戦うことを決意した。

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