オデカケ――英雄ノ休日
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要はない。
近付きさえしなければ、人が襲われることはないだろう。
その後は、ヒーローが退治してそれで終わりだ。
「今、館内放送で……」
トイレから早足に莉子が帰ってくる。
「大丈夫だと思います。僕達も、とりあえず外に出ましょうか」
「うん……」
係員の誘導に従って、怪人の出現したポイントから最も遠い出入り口から外に出る。
外の駐車場には念のために係員の自家用車が入口正面に回されていた。
「すいません、ピンク色の服を着た五歳ぐらいの女の子を見かけませんでしたか?」
入り口付近で、出てくる人を見てそわそわしていた若い主婦が、突然声を掛けてきた。
「ううん、見てないですよー」
莉子が返事をする。
焦れた様な声でお礼を言って、主婦が離れていった。
「…………」
「要くん」
五歳の女の子が迷子になっている。要は少し不安に思った。
だが、そんな子が一人でうろついているのを見かければ、誰かが声を掛けるだろう。
「すいません、僕少し様子を見てきます」
「え、いかんって。危ないよ」
「大丈夫です。いざとなれば『変身』して身を守ります」
莉子に告げて館内に戻る。
心配する必要はない。そう思ってはいたのだが、嫌な予感がした。
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