クンレン――英雄ノ義務
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からなくなる……」
彼女の言葉の意味は分からない。
「お願いします、要くん……戦うことから逃げないで。強くあろうとすることを止めないで……」
背中に伝わる莉子の気配が、泣いていた。
「自分でも、どうしたら良いのか分からないわたしのこの気持ちを……安心させて下さい」
女の子が泣いている。
泣かせてしまったのは、きっと自分だ。
「本当に訳がわからない……」
要が言う。
「分かりました……」
玄関先。電話台の上に置いてあった受験票を、要が手に取った。
「絶対に受かるなんて、約束できませんよ」
要が振り返る。
目尻に涙を浮かべた莉子は、まん丸な目で何度かまばたきした後に、ホッとしたような笑みを浮かべて、何度も頷いた。
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