チケット――誘イ
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ーか!」
「それで、そちらのイケメンはどちら様?」
「同級生の中生 正宗(ナカオ マサムネ)」
「よろしくであります!」
正宗が背筋を伸ばして敬礼をした。
「で。こっちは緋山 莉子(ヒヤマ リコ)さん。……えっと……今日偶然知り合った」
「今日から要くんの師匠の緋山です。はじめまして」
莉子が軽やかに挨拶をする。
お互い高いコミュ力を有しているのか、莉子と正宗は談笑を始めた。
要はしばらく放っておいて、雑巾がけの続きでもしようかと思ったのだが……
「えっ。中生くんって幼稚園の頃から要くんの友達だったん!? そっかー。そうだよねー。幼馴染でもなければ、見るからに内気な要くんに、こんなフレッシュで爽やか好青年な友達がいるわけないもんねー」
「何か悪口が聞こえた!?」
要の悪口を言って、莉子が「へっへっへ」と笑みを浮かべた。
いったい何なんだこの女は……。と、要が深い溜息を吐いた。
「住所やメールアドレスは知ってたくせに、友好関係については知らないんですね」
「うん。だって私が要くんを見てる時って、基本的に背中からやったけん。携帯の中身は覗けても、隣を歩いている人の顔は分からんかったんよね」
「やっぱりストーカーか!」
「要もこんな美人のストーカーなら大歓迎だよな」
「おっ。さすがイケメンは心が広いねぇ」
「「いっえ〜い」」
莉子と正宗が三回拳をぶつけてハイタッチ。
二人の息はぴったりだった。
「ところで。あなたはいったい僕の家に何をしに来たんですか?」
「ああ、そういえば。……試験の前に、要くんにわたしの技を見てもらおう思ってたんやけど……あ、そうや」
莉子が正宗の方を向く。
「正宗くんって今度の日曜日暇?」
「暇暇。超ヒマ! 暇じゃなくても予定空ける!」
「さすがイケメンは心が広いね」
「可愛い子のお誘いなら、大歓迎だよな。要」
「何で僕に振るの?」
「「いっえ〜い」」
拳ゴッチン×3+ハイタッチ
「その下りさっきやった!」
「ここに、チケットが二枚あります。本年度のヒーロー認定試験二次試験の観戦チケットです」
「おお〜っ」
莉子がスポーツバッグからチケットを取り出す。
正宗が拍手する。
「今週末、試合観戦に行ってくれん?」
「喜んで!」
「ありがとー」
莉子が正宗にチケットを一枚手渡す。
そして、もう一枚を要の手に握らせた。
「じゃあ、今週末、二人で試合を観に来てな」
「…………え? 僕が行くんですか?」
「要くんには師匠命令。来ないと火をつける」
「何にだよ!?」
「要の恋心にさ」
「正宗はちょっと黙っててくれ」
「惜しいっ。『要くんの』ってところまでは合ってた。正解は要くんのイ……」
「いや
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