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ウラギリモノの英雄譚
タビダチ――九重里里ノ決断
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たからね。……わたしの家族に手を出したら、どういう目に合うか……教えてやるんだ……」
 里里の目がギラリと光った気がした。 
「だから、要兄さんを襲った仮面の怪人。あれを討伐(とうばつ)するための編隊(へんたい)に入れてもらうことにしたんだ。しばらくは私も銃の腕を磨かなきゃになるから、道場はしばらくお休みしようと思ってね」
「それは……」
 要に気を使ってのことなのだろうか。
 少しだけ、言葉を選ぶ。
「里里さんの意思ですか?」
「うん。自分のため」
 里里は即答した。
「別にヒーローになるかならないかは置いといても、私の家族に手を出されたのは我慢ならない……。だから、私は私の敵をぶん殴りに行くんだ」
 それだけ言うと里里は玄関で靴を履き、要の家から一歩外に出た。
「じゃあ、兄さん行ってくるね」
 振り返らずに手を振られる。
「分かりました。気をつけて」

 その背中に、「いってらっしゃい」と声をかけると、里里は歩き出し、去って行った。

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