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いつまでも、平行線
エピローグ

前書き [2]次話
 ゆったりと椅子に座り、紅茶を飲む一人の少女。長いロングヘーゼルの髪を耳の下でゆるく一つに束ねた彼女は、室内に視線をさまよわせる。

 屋根裏で息を潜め、襲撃の時を狙う一人の青年。短く切り上げられたシルバーの髪は、室内から漏れた光に反射し、鈍く輝いて見える。

 少女はゆっくりと立ち上がり、部屋の隅の一点を見つめた。

 青年は素早く屋根裏を移動し、少女の見つめる部屋の隅で襲撃の構えを取った。

 その瞬間下を向いて何かを呟く少女は、悲しそうな、何かを諦めたような表情でそばにあった剣を手に取り、

 青年は、悔しそうな、辛辣な面持ちで腰元に差してあった短刀を手にした。

 お互いの、視線が、ぶつかり合ったとき、

 それは、

 少女と青年の歴史が終わり、

 『月』と『闇』の歴史が始まることを意味していた。
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