ターン39 鉄砲水と灼熱の傭兵
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半ば強引に押し付けると、しぶしぶといった様子で包みを開けた。中身を一目見て、その表情がいよいよ困惑したものに変わる。
「なんだ、これは?」
「マドレーヌ。美味しいよ」
「これを俺に渡して、一体どうしろと」
「ふむ、それもそうか。じゃあ最初っから説明しようか、まず僕はオシリスレッド所属生徒兼洋菓子屋『YOU KNOW』デュエルアカデミア支店取締役代表の遊野清明。それはうちの店で出してる商品の1つのマドレーヌ。ここまではオーケー?」
話の先が読めない、といった様子で無言で頷くオブライエン。その反応にちょっと満足して勢いづき、さらに言葉を紡ぐ。
「これは悪いんだけど、転入生全員に渡しておいてくれない?今回はタダでいいからさ、美味しかったらまたぜひ買いに来てねって伝えておいて」
もし今後1人でもリピーターが増えるのであれば、ここで無料で配ったとしてもこの1年で元は十分に取れるとの計算あってのプレゼント。だから新入生歓迎会にも何か差し入れを持っていきたいところだけど、まあ今はいいだろう。とにかく損して得取れ、が商売人としての遊野家のモットーです。親父の場合損したうえで損ばっか取ってるからいつまで経っても儲からないんだ、せっかく腕はいいのに。
「あ、ああ……そうか、悪かったな、変に勘ぐって。何か詫びをしたいところだが、あいにく持ち合わせが……」
その言葉を聞いて、1つアイデアを思い付いた。元々今日は十代だけにスポットが当たるってんで、ちょっと羨ましかったんだ。
「じゃあさ、オブライエン。僕とデュエルしてよ」
「何?」
「デュエルアカデミアウェスト校主席の実力……一丁手合せと洒落込ませてもらいたいってことさ」
「ふっ、いいだろう。ただし、後悔するなよ?」
目にも止まらぬ速さで腰に差した銃のようなものを引き抜くと、なんとその中にデッキを収める。ここでようやく、あれがデュエルディスクだったことに気が付いた。普通に考えてわかるかそんなもん。
「「デュエル!」」
先攻はオブライエン。ちょうどいい、一体どんなデッキを使うのか、せめてその1部だけでも見せてもらおう。
「俺は、ヴォルカニック・ロケットを召喚する。そしてこのカードは場に出た時、デッキからブレイズ・キャノンと名のついたカードを1枚手札に加える効果を持つ」
先攻1ターン目のサーチは、どうしようもない。止める手立てもないので、大人しく見ているしかなかった。
「俺はこれで、ターンエンドだ」
「まずは様子見、って?僕のターン、ドロー!僕は、シャクトパスを召喚!」
シャクトパス 攻1600
「ほう?だが俺のヴォルカニック・ロケットの方が、攻撃力は上だぞ?」
疑問に思うというよりも、むしろからかっているようなオ
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