ターン39 鉄砲水と灼熱の傭兵
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けだからね、そこらへんよくわかってる人だ。鮫島校長がコブラ講師の言葉に静かに頷くと、唇を歪ませてにやりと笑う。
「では、お互いの代表だが……こちらからはヨハン・アンデルセン。そちらからは遊城十代の2名というのはどうだろう。どうやらすでに知った仲のようだし、親交を深める意味でもちょうどいいだろう」
「いいでしょう。十代君、やれますね?」
「もちろんだ!こんなに早くお前とデュエルできるなんて嬉しいぜ、ヨハン!頑張ろうな、相棒!」
「ああ、俺も嬉しいぜ。互いにベストを尽くそう!なあ、ルビー!」
その声に反応して、十代の方からはいつものハネクリボーの精霊が姿を見せる。だけど驚いたことに、ヨハンの方からも青っぽいグレーの毛皮を持つ猫に似たモンスターの精霊が飛び出してきた。普通に会話してるってことは、どうやらあのヨハンも僕や十代、万丈目と同じく精霊が見えるタイプの人間らしい。1つの場所にこんなに精霊が見える人が集まるなんて、つくづく世の中面白いものだ。類は友を呼ぶ、ってやつなのかね。
さて、試合開始まであと1時間ある。僕が選ばれなかったのは残念だけど、逆に考えればこの1時間を自由に使えるということでもある。コブラ講師のぶんはないけど、せめてあっちの4人には早速お菓子渡してこよう。控え室にでも行くのだろうか、入ってきたドアからまた出ていく5人をこっそり追いかける準備に入った。
「んー……サッカー、どう?」
講堂を出てから、かれこれ10分は経っただろうか。みんなどこで待機してるのか、それらしき部屋を探し回ってもなかなか見つからない。途中から精霊達まで駆り出して探し回っているのだが、この学校は無駄に部屋が多いせいか難航してるようだ。
「駄目かー、気にしなくていいよ。ラブカは?うさぎちゃんは?イーグルも見つけられなかったって?……え、あっち?了解、ありがと!」
一応プライバシーの問題もあるから個室は覗かないようにって厳命してたけど、それでここまでしないと見つからないってことはもしかしてもすでにそれぞれの個室ないし寮が用意されてるのだろうか。その線は十分あり得る……というかそれが普通なんだけど、ただあの4人の話だって昨日の段階でようやく校内に知らされたことな上に、プロフェッサー・コブラについては校内でただ1人校長しか知らなかった点が引っ掛かる。そんなかっつかつのスケジュールで都合よく空き部屋なんて見つかるもんかね?
どうもよくわからなくなってきたので一度精霊たちにお礼を言ってカードに戻ってもらい、とにかく教えてもらった場所、玄関ホールへと歩き出す。するとすぐにその隅で、なにやらオブライエンとプロフェッサー・コブラが話し込んでいるのが見えた。
この時、なぜ咄嗟に身を隠したのかは自分でもわからない。別に僕も悪
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