ターン39 鉄砲水と灼熱の傭兵
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ス校も入るんだろうし、1人は鎧田でほぼ確定か。だとするとあいつの分は別に用意しなくてもよかったかな、クッキー。なんとなく後ろを振り返ると、自分の舎弟ともいえる鎧田が転入してくることに万丈目が何となく嬉しそうな顔になっていた。
「主席か、きっと強い奴ばっかりなんだろうな!くーっ、早くデュエルしてみたいぜ!」
「まあね。鎧田とは今まで1勝1敗なんだ、今年こそはケリつけてやるさ」
僕と十代だけがこんな調子なんじゃない。ざっと周りに目をやると、ほぼ全員が主席の転入という言葉にデュエリストとしての闘志を燃やしている様子が一目でわかる。特に葵ちゃんなんかがいい例で、もはや近寄りがたいほどの闘志を噴き出している。あ、今隣の奴が少し距離を取った。
「ではまず、デュエルアカデミアイースト校のアモン・ガラム君」
拍手の中を颯爽と歩いてくる、眼鏡をかけた爽やかそうな青年。だけどなぜだろうか、その爽やかさの中にどことなく胡散臭さが見えたような気がした。照明の加減でたまたまそう見えただけだろうか。
「デュエルアカデミアウェスト校代表、オースチン・オブライエン君」
次いで現れたのはデュエリストというよりもはや格闘家の域に達したかのような筋肉の、黒い肌の青年。なかなか油断ならない、鋭い目をしているのが印象に残った。ってかあの腰につけてるのって、もしかして銃なんだろうか。……まさか、ね。
「デュエルアカデミアサウス校代表、ジム・クロコダイル・クック君」
「イエーイ!」
室内でカーボーイハット、なぜか片目に包帯とツッコミどころはいろいろある。あるのは間違いないけれど、正直そんなもの全部吹っ飛んだ。意気揚々と入ってきたジムが両腕で掲げたのは、なぜかワニ。どこからどう見ても、緑色のワニなのだ。しかもちょっと目をつぶったところを見ると、どうも生きた本物らしい。サウス校ってのはワニが生徒と一緒に住んでる学校なんだろうか。
でも、正直あのノリは嫌いじゃない。ワニって肉以外の、洋菓子は食べたりしないんだろうか。今度本人に許可とって試してみよう。
「最後にデュエルアカデミアアークティック校より、ヨハン・アンデルセン君」
「最後にだと?ノース校からは誰も来ないのか?」
ちょっと拍子抜けしたような万丈目。それについては僕も同感だけど、これから来るヨハンとやらに罪はない。拍手して入場を待つも、いつまで経ってもその本人がやってこない。
「おや、ヨハン君はどこに行ったんですか?」
「まさにゴースト、か。実は我々も、船の上では1度も姿を見ていないんですよ」
校長とアモンの話を聞く限り、誰も本人を確認していないようだ。だが不穏な空気に会場が次第にざわつき始めて、収集使なるかに思えた次の瞬間、突然転機は訪れた。誰かが、講堂のド
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