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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン39 鉄砲水と灼熱の傭兵
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と突然オブライエンの足元の床が爆ぜ、炎に身を包んだ小さなトカゲが跳ね上がった。見ているうちに見覚えのあるそのトカゲが、いまだこちらを向く三つ又の砲台の、真ん中の1つにするりと入り込んでいった。

「墓地に存在するヴォルカニック・バレットの効果を発動。このカードが墓地に存在するとき1ターンに1度だけ、500ライフを払うことでデッキから同名カードを1枚サーチすることができる」
「なっ……!?」

 オブライエン LP600→100

「ブレイズ・キャノン―トライデントの効果発動!今加えたバレットをコストに、グレイドル・スライムを破壊し500ダメージを与える!」

 勢いよく放たれた炎の弾丸が、銀色の宇宙人型スライムの頭部に命中して爆散させる。首から上がまとめて吹っ飛ばされて統制を無くした体が銀色の水たまりになって消えていく横で、爆ぜた火の粉が僕にも降りかかった。

 清明 LP500→0





「あー、負けたー……」

 悔いがないと言えば嘘になる。どれだけ追いつめたって、結局負けちゃううちは僕もまだまだだ。いや、ただ負けただけならここまで悔しくはないだろう。ただ問題なのは、途中から完全に僕の行動が読まれて誘導されていたことだ。今になって思い返せば確かに、グレイドルがコントロールを奪うテーマだということを知ったあのタイミングで攻撃力3000ものヴォルカニック・デビルをのこのこ特殊召喚したのは不自然だった。
 要するにあの時にはすでに、オブライエンにはこの結果が予想できていたのだろう。そして僕はまんまと読み通りにコントロール奪取した、というよりさせられたデビルで攻撃を行い、カウンターの一撃で大ダメージを受け、墓地に温存してあったバレットの効果で弾を補充したトライデントの一撃を喰らったわけだ。
 ライフポイントだけ見ればパッと見ギリギリの勝負でも、デュエルの流れ自体はほぼオブライエンに持ってかれていた。これが、デュエルアカデミアウェスト校トップの実力か。

「ありがとう、わざわざ付き合ってくれて」
「いや、礼を言いたいのは俺の方だ。対人戦は久しぶりだったからな。1人で訓練していては絶対に味わえない、勝負の感覚を思い出すことができた」
「そりゃどうも。……でも、次は負けないよ」

 まだ心は折れてないことを示すために言い返し、右手を差し出す。一瞬その手を困ったように見ていたオブライエンだったが、すぐにその意味を理解して苦笑しつつも右腕を差し出すと、ぐっと握り返してきた。
 そんなことをしている間に、すっかり時間がたってしまったようだ。ふと何気なく玄関ホール備え付けの大時計に目をやると、もはや十代とヨハンのデュエルまでほぼ間がない。

「あっちゃー、まだいい席取れるかな?じゃーねー、また今度会おう!あ、それ
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