ターン39 鉄砲水と灼熱の傭兵
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アカデミアに、ついに始業式の日がやってきた。その間に翔も結局ブルー寮への昇格が決まったことで、アカデミア初の3年でレッド、イエロー、ブルーの全寮制覇という偉業を成し遂げた。
……正直なところこれについて僕としては、万丈目が1度ブルーに戻るとか言っておいてドタキャンしたからオベリスクブルーの枠が1人分空いたのもそれなりに大きな理由なんじゃないかと邪推したりもしてるんだけど。実際僕が最後に聞いた話では、翔に昇格試験を受けさせるかどうかすら怪しかったって話だし。とはいえ、別にそれを悪く言うつもりはない。それを掴みとった運も実力の内だし、なにより試験をクリアしたのは紛う事なき翔自身の実力だ。だけどこうやっていらん推察するようになったのも、うちの地縛神のせいだろう。すっかり僕も性格が歪んだものだ。
『私か!?そこも私のせいなのか!?』
するとまさにドンピシャのタイミングで、その翔がレッド寮にやって来た。
「アニキー、始業式始まっちゃうけど出ないんスかー?……あれ、剣山君。それに清明君も」
「おはようだドン、丸藤先輩」
「やっほー、翔。その制服、なかなか似合ってんじゃない?」
「もう、そんなのんきなこと言ってる場合じゃないっスよ?もう始業式が始まっちゃうのに全然来ないから、心配して呼びに来たのに。それで、アニキはどこにいるんスか?もしかしてまだ寝て……」
病気だとかなんだとかよりもまずまっさきにまだ寝てるんじゃないかと疑うあたりは、さすがに十代との付き合いが長いだけのことはある。もっとも、今回に限ってはそうではないのだが。
「最近出歩くのが多くなったからねえ。まあそうそうぶらつく場所のパターンがある訳でもないし、今日は天気もいいからどうせアカデミアの屋上あたりにいるんじゃない?僕は荷物の準備してすぐ行くから、悪いけど2人で先に行っててよ」
「そう?じゃあ、遅刻しないようにね」
「十代にアニキを探しに行くザウルス、丸藤先輩!」
2人が出発したのを見送る暇もなく、すぐに寮に取って返す。常連の鮎川先生からの情報によると、来るんだか来ないんだか話が揺れまくっていた留学生は結局今年、それも今日来るらしい。船が到着するまで残りわずか、なんとかそれまでにこの手土産だけは作り終えたいのに……!
「ったく、確定してたんならせめてもうちょっと早く教えてくれればいいのに!昨日の段階でいきなり言われても無理だって!」
もっとも、これについては鮎川先生のせいではない。春休みの間は僕が再試を受けてたりしたのもあって週に2〜3日程度しか店を開かなかったから情報がこっちに来るのが遅れたのが原因だし、なんで店を開かなかったのかといえば僕がサボってたからだ。
ただ人間、追い詰められるとろくなことを考え付かないものだ。寮にある年代物
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