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おぢばにおかえり
第十八話 プールですその十七
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「それまで子供だったのが」
「それで高校になったら」
「もう完全にね」
「胸板も厚くなって背も大きくなって」
 完全に変わっちゃいます。それでも日本人の男の子は優男が多いですけれど。これが欧州の人とかですと色は白いですけれど胸毛が凄くて。日本人の方がタイプです。
「あれよ、うちの近所だった今中学二年の子なんか」
「ええ」
「その子がどうしたの?」
 私達はその話を聞きます。
「子供の頃なんか私より低かったのに今じゃ全然高いんだから」
「こういう時女って損よね」
「全く」
 小柄なのも辛いんです、気分的に。
「どうしたものかしらね」
「何か。すぐに追い抜かれるのよね」
「どうしようもないけれど」
 結局のところそうです。女の子は女の子の特徴がありますから。そんな話をしているうちに学校の授業が終わってそれからひのきしんをさせてもらって寮に帰って。長池先輩と一緒にお風呂に向かいました。
「あの、先輩」
「何?」
 二人で寮の廊下をスリッパで歩きながら先輩に声をかけます。すると先輩はすぐに私に顔を向けてくれました。左右に障子が一杯あるのが天理教なんだなって思います。
「先輩って一年の頃どうだったんですか?」
「どうだったって?」
「というか入る前は」
「入る前は地元の中学校にいたけれど」
「ですよね。その時どんな感じでした?」
 学校での皆の話が気になって先輩に尋ねました。
「そうね。別に変な娘だったつもりはないけれど」
「変な娘ですか」
「それでも。口の形が平たいじゃない」
「ええ、まあ」
 先輩の御顔ってそんな感じです。目が垂れ気味で。お口とのその目が凄い目立つんです。
「ブスだの家鴨だの言われたことがあるわよ」
「先輩がブスって」
 そんなこと言う人が普通にいるなんて。
「誰がそんなこと言ったんですか?」
「小さい頃普通に男の子に」
「嘘ですよね、それ」
 とても信じられません。まさか。
「本当よ、それで結構いじめられたし」
「酷い子がいますね」
「けれどまあ。これって誰でも言われるものじゃないの?」
 それでも長池先輩をブスっていうのは。幾ら何でもおかしいです。だって凄い奇麗なんですから。これからお風呂で先輩のスタイルも見ますしそれがまた、なんです。
「違うかしら」
「私も言われたことありますけれど」
「正直ね。人の顔のこと言うのって悪いことよね」
「はい」
 本当にそう思います。褒めるのはいいとして。
「顔は表札だから」
「表札ですか」
「ええ。この前言われた言葉なのよ」
 天理教ではよくこうしたことも言われます。笑顔を大事にしろって。少なくとも笑っていたらそれだけで気持ちが明るくなるからって。それが大切なんだって。
「詰所でね」
「成程」
「私よく怒
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