第二百三十六話 生きていた者達その九
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「また会おうぞ」
「うむ、またな」
忌々しげな老人とは正反対にだ、信長には余裕があった。実際に彼はうって変わって余裕といった顔である。
「会おうぞ」
「全て読んでおったか」
「仕掛けて来ると思っていた」
彼等がというのだ。
「そろそろな」
「そうであったか」
「そうじゃ、御主達のことはようやく気付いた」
「気付くとはな」
「十二郎の時からおかしいと思いはじめてじゃ」
そしてというのだ。
「思えば弾正は色々と言ってくれたわ」
「くっ、あ奴め」
「弾正は御主達と縁があったな」
「如何にも」
その通りだとだ、老人も答えた。
「あ奴もまた我等の血族よ」
「魔界衆のじゃな」
「魔界衆を統べる十二家の一つ、松永家の主じゃった」
「ほほう、そこまでの者だったか」
「だというのに中々動かぬかったわ」
「それで焚きつけてじゃな」
「無理に動かしたのじゃ」
そうしたlこともだ、老人は話した。
「しくじったがな」
「あ奴は嫌だったのじゃ」
「嫌とはどういうことじゃ」
「御主達と共にいることがな」
「馬鹿な、我等の絆は絶対の者」
老人は信長のその言葉をすぐに否定して返した。
「その様な筈がない」
「血故にか」
「我等の血は絶対よ、渋ってはおっても」
「従わぬ訳にはいかぬか」
「そうじゃ、だからじゃ」
それでというのだった。
「あ奴も従ったのじゃ」
「嫌々な」
「嫌々というか」
「どう見てもそうじゃった、その弾正がわしに教えてくれてじゃ」
そしてとだ、さらに言う信長だった。
「十二郎、徳川家にも仕掛けておったな」
「そのことも気付いたか」
「思えば都の公卿の高田家」
この家のこともだ、信長はここで言った。
「あの家も御主達の家であったな」
「そのことも察したか」
「見れば着ている衣の色が同じ」
闇、それの色である。見れば確かに高田の着ている服の色と老人達が着ている服の色はどちらも闇の色である。
「そういうことじゃな」
「闇は我等そのもの」
まさにという返事だった。
「それでじゃ」
「服の色にもじゃな」
「なっておるわ」
「やはりそうか」
「その我等がこれで終わると思うな」
「またじゃな」
「仕掛ける、覚悟せよ」
その時はという言葉だった。
「魔界衆は必ずこの世を混沌に陥れてやるわ」
「出来ればな」
信長はここでも余裕を見せて返した。
「やってみせるがいい」
「その言葉忘れるでないぞ」
「生憎わしは一度聞いたことは忘れぬ」
決してとだ、またしても余裕を以て返した信長だった。
「覚えておこう」
「御主を滅ぼし天下も混沌に陥れ」
「大和への復讐をするか」
「そうする、まつろわぬ者の怨みを見せてやろう」
血塗られた様
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