第四幕その三
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「他のお野菜や果物も好きですけれど」
「西瓜は特になのね」
「あとトマトやセロリも好きです」
「セロリは癖があるから」
「好きじゃない人もいますね」
「けれど恵梨香はなのね」
「はい、そのセロリもです」
大好きだというのです。
「苺や無花果、蒲萄や柿に桃も」
「好きなもの多いわね」
「自分でもそう思います、ただ」
「ただ?」
「柿も大好きですけれど」
ここで、です。恵梨香は少し残念そうなお顔になって言うのでした。
「柿はオズの国には」
「あるわよ」
ジュリアは優しく微笑んで恵梨香に答えました。
「あのオレンジの果物よね」
「はい、へたのある」
「それもあるわよ」
「そうなんですか」
「そう、だからね」
それでというのです。
「この宮殿にはないけれど食べたらいいわ」
「はい、それじゃあ」
「よかったら食べてね」
「そうさせてもらいます、そういえば」
ここで恵梨香も思い出しました、オズの国のことに。
「オズの国にも柿がありましたね」
「そうでしょ、オズの国には色々な果物があるから」
「柿もですね」
「あるのよ」
そうだというのです。
「ただ、ね」
「オレンジとは限らないですね」
「マンチキンの柿は青いわね」
「コバルトブルーですね」
「青い柿はあっても」
「青柿とはまた違いますね」
「緑ですから」
だからというのです。
「また違いますね」
「緑だとエメラルドの都ですね」
「そうよね」
「日本では緑とかも青に入るんです」
「同じ系列の色になのね」
「ブルーと言ってもグリーンになります」
「ちょっと難しいわね」
ジュリアは摘み取ったオレンジ達を背中に背負っている籠に入れていきます、そうしつつ恵梨香にお話します。
「そこが」
「そうですよね、青だと思ったら」
「緑だったりするのね」
「そうです」
まさにというのです。
「日本では」
「じゃあオレンジもかしら」
「はい、橙色に入ります」
「オレンジ色にならなくて」
「ところがオレンジ色って言う時もあります」
「橙って言ったり」
「あと蜜柑は蜜柑色です」
「同じ柑橘類でもなのね」
「それぞれの色があるんです」
「ううん、橙でまとめたり」
ジュリアも首を傾げさせて言います。
「それでそれぞれの色に分かれていたり」
「難しいですよね」
「日本人の色の表現って面白いわね」
「青もそうなんです」
その緑も入る色もというのです。
「緑も入れば」
「それにですか」
「はい、青っていってもコバルトブルーやマリンブルーがあって」
「スカイブルーとか?」
「緑も深緑、エメラルドグリーンとかです」
「色々あるのね」
「それが色鉛筆や絵の具にもあります」
日本では
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