第十三話:決戦前夜、追憶
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部。深く吸い込まれそうになる黒の壁に、それが張り付いていた。
「????百足……!」
とてつもなく巨大な、骨で構成された百足。流線型に歪んだ頭蓋骨には、二対四つの禍々しい青炎を放つ眼窩。大きく前方に突き出した顎の骨には鋭い牙が並び、頭蓋の両脇からは鎌のように湾曲した巨大な骨の腕が突き出していた。
その名は《The Skullreaper》。その鎌で全てを薙ぎ払う?????骸骨の刈り手。
ゆっくりとドームの天井を這っていた骨百足が、不意に数え切れない程ある全ての脚を大きく広げた。重力に従って、その巨体が落下を始める。
「固まるな! 距離を取れ!!」
ヒースクリフの鋭い指示が凍りついた空気を切り裂いた。
陣形を組んでいたプレイヤー達がバラバラに散らばっていく。
だが、百足が落ちてくる丁度真下にいた三人の動きが遅れた。
「こっちだ!!」
キリトが叫び、呪縛の解けた三人が慌てて走り出す。
だがその直後、百足が地響きを立てて着地した。床全体が大きく震え、逃げ遅れた三人がたたらを踏む。そこに向け、百足は無造作に、無慈悲に、その右腕を横薙ぎに振り下ろした。
三人が背後から同時に切り飛ばされた。宙を吹き飛ぶ間にも、そのHPバーはぐんぐんと減少していく。
注意域を示す黄色から、危険の赤へと?????
「バカな……!」
そして、あっけなくゼロになった。まだ吹き飛んでいる途中だった三人の体が、立て続けに無数の結晶を撒き散らして、砕け散った。
「????クソ…! 一撃だと…!?」
スキル・レベル制併用のこの世界では、レベルの上昇に応じて勝手にHPが上がっていく。故に、剣の腕前がどうであろうと、レベルさえ高ければその分死ににくくなる。特に今日この場に集まっているのは、攻略組が誇る高レベルのプレイヤーばかりだ。
それを、たったの一撃で粉砕せしめた。
「惚けているんじゃねぇッ!!」
幾ら驚愕しようと、恐怖しようと、刈り手たる骸骨百足は止まらない。レンの叫びを遮るようにフロア中に轟く雄叫びをあげると、スカルリーパーは猛烈ないきおいで新たなプレイヤーの一団めがけて突進を始めた。
「ディアベル、ヒースクリフ!!」
「ああ!」
「分かっている」
エスピアツィオーネを握りしめたレンと、大盾を構えたディアベルとヒースクリフが百足の前に立ち塞がる。
耳を劈く衝撃音が、二つ立て続けに聞こえる。左側の鎌をヒースクリフが、右の鎌をディアベルが抑えていた。
「う、おおお!!」
赤き光芒を迸らせて、エンジン音にも似た音を撒き散らし、エスピアツィオーネが骨百足の頭蓋骨の中央に突き立った。
「堅い……!!」
今放てる渾身のヴォ
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