第十八話。終わる日常
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な」
「……愛とか友情、あるのか?」
「わらわからお主にはこれっぽっちもないな」
「そうか……」
「なんの話してんだよ? 打ち破れるもんなら、打ち破ってみやがれ!!!
……そのくらいふかせよ」
「おおっ! なんか『主人公』っぽいのう」
「やれるものなら、やってみやがれ!!!
……こんな感じか?」
「……お主には似合わんな」
「……さっきの感じでいいんじゃねえか?」
「やらせておいてそれかよ??」
向こうは向こうで、仲よさそうな雰囲気だ。
なんだろうな。やっぱり氷澄には親近感が湧く。
『モンジ君や瑞江ちゃんに似た関係だからだろうね』
「馬鹿な。私ほど博愛精神と友愛の心を持った善良乙女はいませんて」
「そうだといいんだけどなあ……」
氷澄とは、この戦いが終わった後に仲良くなれそうだ。
相棒に対する扱いについてとかで。
そういった関係を築く為にも……
「よし、勝つか!」
「ですね」
『うん、やっちゃえっ』
俺達の心は一つになった。
「さて、いくぞ、一文字疾風??」
「ああ、こい、氷澄??」
氷澄がその青い瞳で俺達を睨みつけてきた。
その瞬間、辺りの景色が一瞬で青と黒のモノトーンカラーに染まり……
「『厄災の眼!』」
「一之江!」
「もしもし私よ……」
「『音速境界』!」
「行くぜ、兄貴?? 『流星』!」
(散らせるもんなら……散らせてみやがれ!!!)
一之江の言葉が終わるよりも速く、ラインは攻撃に移っていて。
一瞬のうちに最高速度に対したラインはキンゾーの背中を押しだしながら加速した。
ラインに押し出されたキンゾーは音速を超える速度で俺達に迫る。
だが……その『速度』こそが。
焦ったように、ただひたすら『先に』行動してしまったことが。
彼らの失敗だったんだ。
「『流星境界』!!!」
ズガガガガガ??
もの凄い衝撃音が鳴り響く。
『音速境界』によって『加速』したラインが、キンゾーを押しだし。
ラインに押し出された瞬間、キンゾーは『流星』を放ちさらに『加速』する。
音速と音速が合わせ合い、より高い撃力を加える超音速技。
それはまるで『人間砲弾』のような荒技。
その荒技によって発生した凄まじい空気の衝撃波が俺と一之江を襲う瞬間。その瞬間を俺の瞳はスローモーションのように捉えていた。超解析度のカメラで見るかのように。鮮明に。
そして、その衝撃波が俺と一之江を襲う……その瞬間。僅かコンマ数秒の刻。
俺達は同時にソレを口にしていた。
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