第十八話。終わる日常
[1/23]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
『兄として、弟に教育してやるよ!』
俺は目の前にいるキンゾーに高々とした態度で宣言した。
キンゾーは俺が戦線布告ともとれる態度をしたことに、苛立ちを募らせたのか……。
「ケッ、兄貴の分際で何言ってんだよ?
そんなこと言っていいのか? Eランクの落ちこぼれのくせによ」
「こっちじゃ、そんなランクなんて意味がないだろ?」
「……本当にいいんだな? 俺はRランク。兄貴はEランク。
武偵ならこの意味わかるよな?」
キンゾーの言い分は正しい。
確かにEランク武偵が喧嘩を売っていい相手ではない。
ランク付けされることなんて(模試の結果を除いて)普通の高校生は早々ないことだが。
俺達武偵はランクによって格付けされていて。
通常E〜Sランクまで格付けされる。
Eは落ちこぼれ。Sは人間離れした、いわゆる超人が格付けされる。
Sランクは世界中に(前世での話だが)500人弱しか格付けされていない。
エリート武偵だ。
俺も武偵高時代に一年の三学期までは強襲科でSランク認定されていた。
探偵科への転科に伴い、Eランク落ちしたのだが……。
(キンゾーはSランクより上のランクに格付けされている世界に7人しかいない『Rランク』武偵で。
エリート意識は俺よりも高い……負けず嫌いだからな)
だから、自分よりも弱い相手に舐められるのは嫌なはずだ!
だから、俺はキンゾーの性格を把握した上で喧嘩を売る。
相手を挑発させればさせるだけ有利になる。
冷静さをなくせばなくすだけ隙が生まれるからな。
上手くいけば、場を支配できる……と思っていたが。
「ま、でも解らなくても仕方ねえか。兄貴だしな……」
「どういう意味だ?」
「兄貴はバカだからな。
普通の人間がやらないことを平然と行うのが兄貴だろ?」
おい! それはどういう意味だ?
「兄貴の分際で俺をバカにするなんて百年早えんだよ」
キンゾーはそう言って、全身の筋骨を連動させる技である『桜花』______キンゾーの呼び名では『流星』を放ってきた。
俺は『橘花』で減速防御をして受け流し、カウンター技である『絶牢』を放つが。
キンゾーは全く同じタイミングで『絶牢』を繰り出してきた。
『絶花』……『絶牢を絶牢で返す二重カウンター技』だ。
俺はキンゾーが放つ蹴りを『絶花』で、受け止めて。
再度『絶花』を放つ。
しかし、キンゾーは俺が放つ『絶花』を『絶花』でまた返し……その繰り返しが20回行なわれ。
21回目の『絶花』がキンゾーから放たれた。
俺は再び『絶花』で返そうとして気づく。
……氷澄の姿が見えないことに。
一度繰り出してしまった『絶花』のモーションはキャンセル出来ずに。
キンゾーに
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ