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SAO二次:コラボ―Non-standard arm's(規格外の武器達)―
prologue:Unexpected weapon(予想外なる武器)―――episode3
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ィッ!!”]
「―――!?」
「――――」

「……うっし、も一発やってやるっス……」


 耳障りな鉄と鉄の掠れる音に紛れ、微かに二人からの驚きの声も上がる。

 されどそれで満足することなく、ニヒトは再びスコープを覗いた。






 場所は変わり、列車の屋根上。


「今のは……上からか!」


 突然の援護射撃に驚いた青コートの少年・リュウは、振り降ろされた機械の腕の射程から逃れながらも、一度目の攻撃を妨害した銃撃の主が居るであろう、上の高速道路を見あげる。

 ガードレールの隅から除いているのは、シャープな装いの黒いバイク。
 離れた位置に居る少女・アマリも気が着いたか、風の中でも届くよう声を張り上げた。


「多分、ニヒト兄やんです!」
「…………だな!」


 『もうこの際突っ込まねえからな』
 ―――そう言いたげな表情で、リュウは言葉を呑み込んだ。


[“ギギギギギギギギギギギギ”!!!]
「まだ追って来やがるか!」
「あっはぁ! やってやるですー」


 リュウは頭を振りながら抜き身の刀を肩に担ぐと、人間顔負けの走行で詰め寄るロボットへ鞘の先端を向ける。

 アマリもまた、大砲へと変形させた斧の砲口を突き付ける。

 そして二人は……否、“三人”は同時に発砲。
 三つの弾丸がロボットを執拗に狙い撃ち、どんどん後ろへと押し下げていく。


「このっ! くたばれぇっ!」
「ほらもう一回! もう一回! もう一回ですよー!」


 風圧の弾丸が、大柄な榴弾が、渦を巻く狙撃が、ロボットにコレでもかと殺到する。
 宛らそれは、遠距離でも届く拳での滅多打ち。

 思うようにガトリングガンから放てないのか、敵ロボットはされるがままに撃たれ続けた。


 ……が。


「HPが全然減ってねぇっ……! 撃ってるのがコルク弾だとでも言いたいのかっての!」
「止められませんですね、段々こっちに向かって来てもいるです!」


 内部に誰が乗って誰が操縦していようが、ロボット本体は元々機械の塊。故に痛覚など当然存在せず、蚊ほども痛痒差を現さしてはくれない。
 進行を阻害されているだけだと言わんばかりに、強引な走りで列車と並走しながら、リュウ達まで齧り付いてくるだけだ。

 最初こそ有効打と成り得たかに見えた狙撃も、ただ鬱陶しいと身体を揺らす反応に留まってしまっている。

 このままではジリビンだ。


「アマリ! “力”を溜めといてくれ、俺が引き付ける! 後セツナへ通信を頼む!」
「了解したですー」


 何か策があるのか、其処でリュウが敢えて接近し始める。

 言われた通り砲口を水平に構えたまま、アマリは
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