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SAO二次:コラボ―Non-standard arm's(規格外の武器達)―
prologue:Unexpected weapon(予想外なる武器)―――episode3
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、そしてニヒトだ。


「うぺっ……!」


 中途半端な長さの所為か、風でセツナのマフラーが浮き上がり、ニヒトの顔に時折叩きつけられている。
 大変ウザったそうに顔を顰めるニヒトでは有るが、つい先ほどタバコで彼女へ同じようなシチュエーションを齎した事に鑑みると、因果応報だと強ち言えなくもない。


「確認できましたか!? ニヒトさん!」
「いや、まだッスね! ……うぷっ……方向自体はあってる筈なんスけど!」


 二人は先の戦闘での落ち着きぶりに似合わぬ、荒げられた大声で言葉を交わしている。
 一際の減速を考えず突っ走る所為で、空気抵抗により生まれる持続的な突風が、二人の耳にしつこく張り付いている為だ。

 激しく棚引くマフラー、短かろうとも暴れ回る髪……さながら、嵐の中を進んでいるかの如くである。


「【スキル】では既に確認出来ています! 光点の位置も予想個所から、移動しながらですがズレてはいません!」
「で、しょうねぇ! コッチも確認出来てるし! ……うぺっ……」


 視界の右端に用意された半透明のホログラフマップには、二つ重なった雪達磨にも見える緑色の光点が二つと、同じく二つの緑色の円形がある程度の距離を保って、 四つとは違う“赤い”大きなボールから逃げている。

 重なっているのはバイクに乗ったセツナ達、逃げているのは通信を受けたリュウ達、そして最後の赤い点こそリュウとアマリが逃走せざるを得なくなった対象―――所謂『クソデカいロボット』なのだろう。

 セツナが表示して居るマップ上にて見る限りでは、彼らとの距離は徐々にだが縮まっている。
 しかし離れているとは言っても、とうに肉眼で視認できる間合いまで入っても居る。


(……何故見えないのでしょうか……?)


 現在の時速を保ちながらも、転びそうで転ばない器用な運転で右に左に車を避ける傍ら、セツナは目を細めて考えた。

 リュウ達がちょっと遠くを通り抜けて行った事から、逃げた場所が高速道路だと二人共理解出来ている。
 だからこそ、セツナはニヒトのバイクで脇道から合流し、追いかけた方が良いと判断したのだ。

 なのに二人の影も形も見えないのは、可笑しいとしか言いようがない。
 二人が自動車から自動車へ跳び移っているとしても、光点自体に其処まで目立った動きが無いのは不自然だ。
 ならば何故黙視できないのか……。


 ―――そこで “ある事” に気がついた。


(……! まって、この高速道路は……!)


 セツナはバックミラーから車の配置を確認し、ニヒトの確認も取らず一気に道路の左端から右端まで詰め寄る。


「うぐおおっ……!?」


 何の前準備も出来ていなかったからか、急に
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