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SAO二次:コラボ―Non-standard arm's(規格外の武器達)―
prologue:Unexpected weapon(予想外なる武器)―――episode3
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を止め切れずゴロゴロ転がる。


「……よし脱出!」
「うー……お陽様の光が眩しいですねー」


 衣服に付いた砂埃を手で乱暴にはたき、実感を得る為にか、リュウは胸を張って宣言した。 
 アマリは相変わらずマイペースで、服を叩くこともせず、ペタンと座って目を潜めている。

 そこから数秒間、二人の意識は背後に向かう。万が一を回避すべく、油断は禁物と今氏べる為の行動だ。
 果たして…………背後から響いていた筈の、近未来無造形のロボットが立てるかすれた音は、もはや夢幻か全く聞こえなくなっていた。

 一先ず脅威から逃げ延びたと、言ったところであろう。

 ここからは焦らず、彼等の言っていた『クエスト』の詳細を探るなり、気を見るなりして行動に移すターンだ。


「ふぅ……取りあえずかなりの数コールが入ってるし、“セツナ”と連絡取ってみるか」
「セツナさんと? 通信機持ってるの、“ニヒト”さんじゃないです?」
「此処に入る前だったか。通信来た時の声がセツナだったんだ」


 仲間も居るらしく、通信機から連絡が多数入っているのを見るに、別個所に存在する彼らの仲間二人も、同様にリュウ達との合流を望んでいるらしい。 

 またも空中に現れた《謎ホログラフ》に記されたマップより、仲間の大まかな位置確認も出来る様で、後はそれを頼りに指定した地点まで向かえば良い。

 何とか命がけの鬼ごっこを回避した二人は、セツナとニヒトの元へと足早に向かうべく立ち上がった。






[“ゴバアアァァァッ!!”] 

「「……!?」」


 ―――と、ドッキリの仕掛け人登場よろしくピッタリなタイミングで、ど派手な音を立て背後から瓦礫がすっ飛んできた。

 同時に聞こえるは、“キュルルルルルリイイィィィィィ……!” とした歯医者で使う治療具の、幼子の何割かは確実に泣きだすだろう、トラウマを呼び起こす甲高いサウンド。


「……なんだろうな、この音」
「治療帰りの歯医者さんでも居るですかー?」
「ハハハ、壁をぶっ壊してか! 何ともワイルドな医者じゃねぇか!」


 ナイスジョーク! そう言いだけなリュウは、陽気な御調子者よろしく声を上げて笑う。
 ……が、表情は引き攣り冷汗はダラダラ。如何見ても真の意味で笑ってはいない。

 アマリは流石の余裕で、キョトンとしながら微笑を見せている。
 ……されど、冷汗は止まっていない。

 何時の間にやら其処だけブリキ細工にでも変ったか、油を注し忘れた機械も驚くぎこちなさでゆ〜〜〜っくりと―――


[“バラララララララララララララララァッ!!”]

「ハイ確定! だろうな! 歯医者な訳ねえよな!!」
「あはー、弾丸いっぱい雨霰ー」


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