七話:真夜中
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シャマルは思う。
「でもなぁ……この子のこともあるし。早よ、私も融合機について調べられるようにならんと」
「……リインフォース」
しかし、はやても譲らない。剣十字のペンダント、リインフォースの欠片を握り、思いを語る。
様々な事柄があれから進んでいく中で一つだけ変わらないものが彼女のことだ。
新たな魔導の器として生を与えたいのだが、古代ベルカの融合機というオーパーツ級のデバイスだ。型があるとはいえ、作業は難航している。
聖王教会の伝手や、無限書庫のユーノにも手伝ってもらっているが現状行き詰っている。
「みんなに手伝ってもらうだけやのーて、自分でも調べられるようにならんと」
「そう…ですね。でも、これだけは分かってください」
「なんや?」
「リインフォースの願いははやてちゃんの幸福。そのはやてちゃんが自分せいで体を壊すなんてことになったら悲しみます」
「そう言われると……敵わんなぁ」
眉を下げて困ったように笑うはやて。
彼女とて、自分の活動がオーバーワーク気味だというのは分かっている。
しかし、頭でわかっていたとしても心がどうしても急かしてくるのだ。
早く融合機を復活させなければならない。早く養父の後を追わねばならないと。
「とにかく、今日はもう寝ましょう。明日はグレアムさんも来ますし」
「あ、そっか。お茶菓子とかちゃんとあった?」
「はい、昼間の内に買ってきておきました」
切嗣が消えたことで八神家の情勢は大きく様変わりしていた。
何せ、家主が居なくなってしまったのだ。
財産管理や、その他諸々のことに支障が出かねなかった。
そんな時に訪ねてきたのがグレアムとリーゼ達であった。
訳も分からぬ間に深々と頭を下げられて謝られて事情を聴かされた。
その件に関してははやては一切咎めることなく許したが、財産管理などの件については世話になった。
元々、グレアムがその財産の大部分を出費していたのもあり、その後の財産管理、土地の管理などを引き受けてもらった。
一番ははやてが管理するのが理想であるが、日本では子どもにはできない。
守護騎士達も日本での戸籍を持っていないために不可。
そこで、管理局を自主退職したグレアムに白羽の矢が立ったのである。
「グレアムおじさんってやっぱり紅茶とかにうるさいんかな?」
「イギリスの人ってそうでしたっけ? でも、はやてちゃんが淹れてくれた紅茶なら喜んでくれると思います」
「そうやったら、嬉しいなぁ。……お爺ちゃんってこんな感じなんかな」
今は故郷のイギリスで暮らしているが、つい先日にあったはやての誕生日を祝う為に来てくれるのだ。
初めこそ、騎士達もグレアム達も気まずげな空気を漂わせていたがはやての仲介によりそ
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