12.新生活スタート
[1/10]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「ひえーい! シュウくーん!! 起きるデスヨー!!」
昨日と同じく、金剛さんの激しいモーニングコールで僕は目を覚ました。昨日と違うところは、姉ちゃんが一緒にいるということ。
「うぁぁぁ……金剛さんおはよー……」
「ひぇぇぇ……おはようございますお姉様ー……」
「まったく……ホント、似た者夫婦デース……」
昨晩はあれから『比叡さんおかえりなさいパーティー兼比叡さん&シュウくんケッコンおめでとうパーティー』となった。鎮守府全体をひっくり返したかのような大賑わいでてんやわんやになった。途中あきつ丸さんや瑞鳳さんに
「シュウ殿は、比叡殿がピンチと聞いてえらく取り乱していたであります」
「シュウくん、“私のよりも比叡さんの玉子焼きの方が美味しい”って言ってたよ?」
などといらんことを暴露され、その度に姉ちゃんは顔を真っ赤にしたり照れてもじもじしたりと大忙しだった。あきつ丸さん、あとで工廠裏で話があります。
「ハッ。しかし本当のことを言って非難されるとは御無体でありますニヤニヤ」
いや、そんなこと思ってないでしょ。だって顔ニヤニヤしてるじゃないですか。
あと印象的だったのが加賀さん。加賀さんはパーティーの最中に僕と姉ちゃんの元にわざわざ足を運んでくれて……
「まさか人間のあなたにあれだけの事ができるとは思いませんでした。共に戦えてよかったです」
「いや……みんなのおかげです。僕はただ、みんなに守られながら飛び降りただけですから」
「それでもです。提督や岸田のような、艦娘を大切にしてくれるあなたと出会えて、比叡さんも幸せでしょう」
と言ってくれた。そんなことを言われるとぼくも恥ずかしいやら照れるやら。でも姉ちゃん見ると耳から水蒸気を吹き出して倒れていた。よほど恥ずかしいらしい。
「ひ、ひぇぇぇ……」
「すいません……姉ちゃんこんな調子で……」
「ぶふっ……こんな方ですが、あなたへの気持ちは本物ですよ。どうかお幸せに」
「はい。ありがとうございます」
「一航戦として、また共に出撃出来る日を楽しみにしています」
あとで姉ちゃんに聞いたのだが、あれは加賀さんなりの最大級の賛辞だったそうだ。一航戦……二水戦と同じく、旧日本海軍が誇る当時最強の戦闘集団。そんな人に“共に戦ってくれ”と言われるのは、確かに認められた気がしてとても嬉しい。
周囲を見ると、艦娘たち全員が大盛り上がりだ。提督と岸田は駆逐艦の子たちにちょっかいを出しては大淀さんと龍田さんに折檻され、その度に恍惚の表情で泡を吹きながら痙攣していた。金剛さんは自分の姉妹たちと一緒に姉ちゃんをからかっている。ゴーヤは潜水艦の子たちと一緒にプロレスごっこで遊んでおり、球磨は僕の頭をヘッドロックで固めた状態で乱暴に僕の頭をわ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ